【S&C理論】トレーニングの5原則(漸進性・全体性・継続性・個別性・意識性)

ウエイトトレーニング全般

前回は、トレーニングの3原理についてまとめましたが、今回は3原理を具体化するトレーニングの5原則についてまとめたいと思います。

トレーニングの原理は「トレーニングに対する効果はどのように起こるかという、身体適応の基本的な仕組み」、トレーニングの原則は「トレーニングの原理に基づく、効果的なトレーニング方法を構築するための基本ルール」と定義(谷本道哉 コーチングクリニック2012年3月号)しました。

トレーニングの原理・原則の定義はこちら

トレーニングの3原理

トレーニングの5原理(漸進性・全体性・継続性・個別性・意識性)

  1. 漸進性の原則
  2. 継続(反復)性の原則
  3. 全体(全身)性の原則
  4. 個別性の原則
  5. 意識(自覚)性の原則

NSCAでは、3原理(特異性・過負荷・可逆性)も含めて、すべて原則と言っています。また、特異性・過負荷・漸進性(可逆は用語としては出てきます)のみ説明をしていますが、実際には上記5つ(原理を合わせて8つ)は押さえておいた方がいいでしょう。

漸進性(progression)の原則

過負荷の原理では「体力向上には過負荷が必要」と説明しました。トレーニングを続けていくと、過負荷が過負荷にならなくなります。「常に過負荷になるように負荷を漸進する必要がある」と言う原則です。

例えば、ベンチプレスを初めて行うと、成人男性ならば40kg前後を10回くらいが平均的でしょうか。当然ながら、40kg x 10回は過負荷となり、かなりきついと思います。ただ、このトレーニングを継続すると筋力が向上し、40kg x 10回が楽になっていきます。もはや、40kg x 10回が過負荷でなくなるということです。40kgのままトレーニングを継続すると効果が薄れてしまうので、過負荷になるように45kgに重量を上げるといったことです。

40kgのまま回数を増やせば、筋持久力の向上にはなると思います(これも過負荷ではある)が、筋力向上を狙うのであれば、重量を増やした方が確実です。40kg x 10回のトレーニングを継続した場合は、向上することは無く維持になると思います(回数を増やせば、若干ながら筋力向上もあるかと、、)。

過負荷の原理との関係が深いので「漸進性過負荷の原則」と言うこともあります。

漸進は「徐々に前に進む」を意味し、progressionと言いますので、英語も覚えておくといいと思います。

漸進(progression)と再帰(regression)

トレーニングの原則には入りませんが、「再帰・regression」も重要です。漸進の反対語で、「逆戻り」することです。トレーニングにおいて漸進することは、最重要要素ですが、無理に漸進すると、効果が出なかったり、ケガにつながる可能性もあります。その場合は、あえて一歩下がり、客観的に見つめ直しましょう。原因が見えてくるかもしれません。

レジスタンストレーニングの漸進と再帰

受動的運動(passive)⇔自動介助運動(assist)⇔自動運動(active)⇔抵抗運動(resist)

レベル1. 何もできない人には、運動を手取り足取り教えてあげる(受動・passive)

レベル2. 少し向上したら、運動を助けてあげる(自動介助・assist)

レベル3. 体力が一般的である場合、自分で動いてもらう(自動・active)

レベル4. 体力のある人には、さらに抵抗(過負荷)を掛ける(抵抗・resist)

 

レベル3(自動運動)ができれば、フィットネスや若年層では成功かもしれません。アスリートやウエイトトレーニングトレーニーはレベル4(抵抗運動)まで必要でしょう。しかし、レベルを上げてきつければレベルを下げてもいいわけです。個人差を考慮しましょう(個別性の原則)。

漸進の例

  • 易→難
  • 軽→重
  • 低→高
  • 少→多

全体(全身)性の原則

全身性の原則とも言いますが、上記の漸進と読みが同じになってしまうので、全体性か全面性の方がいいと思います(^^♪

各体力要素(筋力・持久力・柔軟性等)を偏ることなく、全体的に万遍無くトレーニングすること」です。

また、筋力トレーニングに関しては、人気のあるミラーマッスル(鏡に映り効果がわかりやすい筋肉群、大胸筋、上腕二頭筋、腹直筋、三角筋等)だけでなく、自身で確認しづらい背中(チンニングやロウイング)やとてもきつい脚・臀部(スクワット)も行いましょうということになります。

若年層には、特に重要と考えています。

継続(反復)性の原則

読んで字のごとく、「トレーニングは継続しましょうということ」です。

トレーニングにおいてはディトレーニングで可逆反応(体力低下)が起こるので、体力低下しないようにトレーニングを継続する必要があります。

少し違うかもしれませんが、練習の目的のひとつは技術の向上で、反復運動をすることによりその動作を習得することになります。トレーニング以上に継続する必要があるかもしれません。

トレーニングや練習は、決して楽なものではないので、継続性の原則はまさに「言うは易く行うに難し」ですね。

個別性の原則

個人差を考慮しましょう」ということです。同じ運動、トレーニングをしても、ある人には適度であり、ある人には不足であり、ある人には過度であるわけです。このあたりの個人差を考慮して指導する必要があるということで、パーソナルトレーナーにとっては最も重要な原則かもしれません。

個別性には当たらないかもしれませんが、トレーニングプログラム内容も、目的により差別化する必要がありますね(差別性?)。

意識(自覚)性の原則

これも当たり前と言えば当たり前ですが、トレーニングや練習をただこなすだけよりも、その意味、意義、目的等を理解して行う方が効果が高いということです。

やらされるのではなく、自ら行う」という信念が必要です。

指導する際にも対象者(アスリートやクライアント)にも、考えていただくような教育的指導も必要かと思います。

まとめ(谷本道哉先生の表現)

  • 漸進性の原則→トレーニング向上に伴い、トレーニングの強度や量を高めること
  • 全体性の原則→体力要素を全体的に、バランス良く高めていくこと
  • 継続性の原則→トレーニングを一定期間以上、規則的に繰り返すこと
  • 個別性の原則→トレーニングプログラム内容を、トレーニングを実践する人の個別性に応じて決めること
  • トレーニングの内容、意義、目的を理解した上で、高い意識をもって積極的に取り込むこと

トレーニングの原理・原則は当たり前のことなのですが、「当たり前のことを当たり前に行うことが最も重要」と言うことになりますかね(^^)/

出典・引用・参考
・コーチングクリニック 2012 年 3 月号 P54,55(谷本)
・NSCA 決定版ストレングストレーニング&コンディショニング (第4版)
・ストレングス&コンディショニングⅠ@NASA JAPAN

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