ウエイトトレーニング トレーニング理論

【プログラムデザイン】筋肥大・筋力向上の主役・コアエクササイズを決定する

2019年7月28日

エクササイズは、一般的エクササイズと専門的エクササイズに分類できますが、今回は、一般的エクササイズの中でも最重要に位置するコアエクササイズについて整理したいと思います。

エクササイズの種類と階層

エクササイズの種類を細分化すると、下記のような階層となります。

  1. 一般的エクササイズ
    1. コア(core)エクササイズ
      1. 構造的(structural)エクササイズ
      2. パワー(power)エクササイズ
    2. 補助エクササイズ
  2. 専門的エクササイズ

一般的エクササイズと専門的エクササイズ

一般的エクササイズは、筋肥大(身体作り)や最大筋力向上が主目的でウエイトトレーニングの主役に位置するエクササイズです。

一方、専門的エクササイズは、競技パフォーマンスの向上を狙う、最近ではファンクショナルトレーニングとして捉えられるエクササイズと言えるかもしれません。即効性や心身のストレスが低いのでモチベーション向上につながりやすい反面、長期的には筋力低下、ひいてはパフォーマンスの低下に繋がる可能性もあるので、非常に設定が難しく、必ずしも取り入れる必要は無いのかもしれません。専門的にエクササイズに関しては、別途考察する予定です。

コアエクササイズと準コアエクササイズ

一般的エクササイズは、コアエクササイズと補助エクササイズに細分類されます。

コアエクササイズの3つの定義とプラス2

一般的なコアエクササイズの定義は、以下の3つ

  1. 大筋群を動員するエクササイズであること
  2. 多関節エクササイズであること
  3. 安全で効果的な1RMテストが実施できること

1と2は最重要で普遍的(同時に成り立つ必要がある)、3は第3の定義として補足的に使われます。さらに個人的には

 4. フリーウエイト種目であること
    5. 両側性エクササイズであること

を追加したいと思います。その理由として、

4. は運動単位の問題。マシンエクササイズはフリーウエイトに比べ、動作が決定されているので運動自体が楽になります。その分、神経系の活性に関してフリーウエイト種目に比べて劣ってしまうデメリットがあります。しかし、運動が楽ということは継続しやすいというメリットになりえます。スクワットは非常に心身ともにストレスが大きいので妥協しやすい種目の筆頭と言っても過言ではなく、スクワットだと継続が難しいがレッグプレスだと継続しやすいことを考えると一考を要する問題です。

5. に関して、片側性エクササイズの代表にランジがあります。ランジの主働筋はスクワットやデッドリフトと同じとなりますが、片側性ということから物理的負荷はその両者に比べると大きく劣ります。

結果、筋肥大や最大筋力をウエイトトレーニングの主目的とする場合は、メイン種目と捉えるのは難しいかもしれません。運動自体も水平運動が加わるので難易度は上がります。

さらにトレーニング量やトレーニング時間は約2倍になるので、オーバートレーニングの可能性や精神的ストレスが大きいというデメリットがあります。

しかし、スクワットやデッドリフトの最大制限因子である背筋群の負担が約半分になること、その分、大殿筋に意識しやすくトレーニング効果も最大限出しやすいというメリットは捨てがたいです!

これらを考慮して4.や5.に該当する
レッグプレス、ラットプルダウン、シーテッドロウ等多関節マシーンエクササイズやランジやブルガリアンスクワット等の下半身片側性エクササイズは準コアエクササイズという位置付けとしたいと思います。

何をコアエクササイズとするか

上記を踏まえて、コアエクササイズは
両側性スクワット、両側性デッドリフト、ベンチプレス、ベントオーバーロウ、チンニング、ショルダープレス、クリーン、スナッチ、プッシュプレス、ジャークとします。

上背部のエクササイズに関しては、この記事を参照してください!

なお、上記エクササイズのバリエーション、例えばフロントスクワットやダンベルベンチプレス、ワンハンドロウ等はコアエクササイズとします。また、クリーンやスナッチの一部であるクリーンプルやスナッチプルもコアエクササイズとして考えていいと思います。

準コアエクササイズ

また、定義2(単関節エクササイズ)からコアエクササイズには分類されませんが、スクワットやデッドリフトでは鍛えきれないハムの代表的なエクササイズであるルーマニアンデッドリフトや大胸筋の動員率はベンチプレス以上でもあり、上腕三頭筋が制限因子にならないためベンチプレス以上に大胸筋を追い込めるダンベルフライも準コアエクササイズと捉えてもいいのかもしれません。

まとめ

表. エクササイズの分類

コアEXベンチプレス, ベントオーバーロウ, チンニング
構造的EXスクワット, デッドリフト, ショルダープレス
パワーEXクリーン, スナッチ, ジャーク, プッシュプレス, クリーン(スナッチ)プル
準コアEXラットプルダウン, レッグプレス, シーテッドロウ, ランジ, ダンベルフライ, ルーマニアンデッドリフト

異論・反論は認めます(^^)。是非、ご意見をお聞かせください。

・ストレングストレーニング&コンディショニング第4版@NSCA Japan
・ストレングス&コンディショニングⅠ(理論編)@NSCA Japan
・自分でつくる筋力トレーニングプログラム@有賀誠司
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