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【クイックリフト】導入時に起こりやすいエラー4選(スナッチキャッチ編)

ウエイトリフティングは、スナッチおよびクリーン&ジャークの挙上重量を競う競技であり、

クイックリフトは、クリーンやスナッチを中心としたウエイトリフティング関連種目のトレーニングの総称です。

その効果からウエイトリフター以外にも多くの競技アスリートが実践しています。

今回も、クイックリフト導入時および初期時に起こりやすいエラーについてのまとめ、解説です。

第3回目(全3回)は、クイックリフトの最終局面キャッチ(クリーン・スナッチ)に関するエラー集の2回目。スナッチのキャッチについてです。

パワークリーンキャッチに関する記事はこちらを参照して下さい。

クイックリフト導入時に起こるエラー(プル・ハイプル編)に関する記事はこちらを参照して下さい。

ウエイトリフティングとクイックリフトに関する記事はこちらを参照して下さい。

パワースナッチの局面

パワースナッチにおける局面は、

  1. ファーストプル
  2. (トランジション, スクープ)
  3. セカンドプル
  4. キャッチ(フィニッシュ)

の3~4局面となります。( )は局面と数えない人も多い。

プル・ハイプルのメリット・デメリットに関する記事はこちらを参照して下さい。

キャッチで起こりやすいエラー

キャッチは、セカンドプルでのフルエクステンション後に起こるフレクション動作(膝・股関節屈曲)です。

競技動作としては、加速からの減速、急ストップ、切り返し等に役立つでしょう。より重量を上げるためのロー(スクワット)キャッチは、(筋力やパワーというよりも)高いスキル(技術)が必要になるので、一般的にはハイキャッチで十分だと思います。

パワースナッチのキャッチで起こりやすいエラーは、以下の3つでしょうか。

クリーンのキャッチで起こりやすいエラー

  1. モーメントアームが長すぎるエラー
  2. キャッチの位置に関するエラー1
  3. キャッチの位置に関するエラー2

スナッチ① バーまでのモーメントアームが長すぎるエラー

スナッチキャッチの初期段階で最も起こりやすいエラーかもしれません。中級者レベルでも出てしまうかもしれません。

正しいキャッチは、肩(支点)の回旋運動および肘伸展運動(差し)となりますが、この際のモーメントアーム(半円・半径)が長くなってしまうエラーです。

肘関節が伸展状態となり、バーと身体の距離(モーメントアーム)が長くなるので、効率が悪く、高負荷の場合は不利になります。

さらに、モーメントアームが長いゆえに関節負担が上がり、関節を痛める可能性も否定できません。

キャッチの問題というよりも、セカンドプルにおいて、身体とバーが離れてしまうことが大きな原因でもあるでしょう。

対策として、

分習法を用いて、キャッチの技術練習を行いましょう。

軽量(20kgバー程度)で、(スナッチグリップ)アップライトロウ(バーを身体から離さないようにする)から肩支点の回旋運動と同時に爆発的な肘伸展(差し)を習得してください。比較的時間はかからないと思います。

 

スナッチ② キャッチの一のエラー①バーが肩関節の前に来るパターン

セカンドプルにおけるエクステンション不足が考えられます。結果、バーを頭上まで持ってくることができません。

高負荷では止めることができないので、そのまま前に落とすことになるでしょう。

キャッチの練習というよりも、セカンドプル(ハイプル)を徹底的に行いましょう。

その後のキャッチは、軽量スナッチの場合、案外すんなりいくものです。

クリーンで起こりえるキャッチ時の股関節屈曲位が取れない問題は出にくいです。理由としては、クリーンよりも移動距離が長いため、股関節屈曲が間に合うようです。

高負荷になると、一気に難易度はあがりますが、、、、

スナッチ③ キャッチの一のエラー②バーが肩関節の後ろに来るパターン

肩関節にリスクがあるので、すぐに修正しなければなりません。

女性や肩関節が緩めの人に出やすいようです(関節弛緩性や不安定性等)。スイマーにも多い気がします。

オーバーヘッド(スナッチ)スクワットを行い、正しい位置を確立しましょう。スナッチをはじめとするオーバーヘッド系エクササイズは、関節安定性(Joint Stability)を高める効果もあります。

逆に肩関節の硬い(可動域制限がある)人には、柔軟性を高める効果もあるので、是非取り入れたいエクササイズです。

リカバリーで起こりやすいエラー

キャッチでは無いですが、キャッチ(フィニッシュ)ポジションからスタートポジションに戻すリカバリー局面で起こりやすいエラーです。これは前記事のプル、ハイプルにおけるフィニッシュやクリーンのリカバリーでのエラーと同様となります。

  1. 姿勢の問題

キャッチ後、同じ軌道で元のポジションに戻りますが、その際に背中の緊張が解けてしまうことが多いようです。

戻る際の軌道で、バーと身体が離れてしまうと、腰椎の屈曲が出やすくなり、腰痛の原因にもなるので、十分に気を付けなければなりません。

姿勢に関しては、セット完了後まで緩むことは無いので、強い背中の筋力と筋持久力が必要となります。

プル・ハイプルのメリット・デメリットに関する記事はこちらを参照して下さい。

まとめ

スナッチのキャッチ過程で起こりやすい初期エラーは以下の3つ

  1. モーメントアームが長すぎるエラー
  2. キャッチの位置に関するエラー(バーの位置が前)
  3. キャッチの位置に関するエラー(バーの位置が後)

その他、「リカバリー時の姿勢のエラー」も押さえておきましょう。

スナッチのキャッチのエラーは、肩関節に大きな負担が掛かってしまいます。肩痛リスクを軽減するために、初期段階では重量にこだわらず、まずはフォームを確立してください。

キャッチのエラーは、キャッチそのものよりもその前段階のセカンドプルにおけるエクステンション不足が原因になっていることが少なくありません。クイックリフトにおける最重要項目であるフルエクステンションを確立しましょう。

アスリートであれば、クイックリフトは是非導入・活用していただきたいですが、その前提となるスクワット・デッドリフト(RDL含む)・ロウイングを軽視してはなりません。基礎筋力を高めてからクイックリフトを導入してください。

また、最近ではYoutube等で独学で学ぶことも可能ですが、プロのトレーナーさんでもクイックリフトの初期段階では自己分析ができないエラーが起こります。

最小の時間で、最大の効果を出すためには、クイックリフトの指導できるパーソナルトレーナーやS&Cコーチの力が必要となります(少なくとも初期段階では)。

そしてS&Cにとっても腕の見せ所といったところでしょうか、私も含めて日々精進しなければならないですね!

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引用・参考
・ストレングス&コンディショニング第4版@NSCA JAPAN
・トレーニング指導者テキスト実践編@JATI
・JATI EXPRESS VOL34, 35(クイックリフトでのフルエクステンション, クイックリフトでのダブルニーベント)

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