ウエイトトレーニング 機能解剖学

【ウエイトトレーニング】バックエクステンションの効果をフリーウエイトで得る方法

2021年10月12日

バックエクステンションは、背筋運動として人気種目ですが、実施には下記写真のようなローマンベンチ台という器具が必要になります。

出典:amazon HP

ローマンベンチ台は優れた器具ではありますが、それなりに高価で、最大の弱点はスペースを取ることです。マイクロジムやホームジムでは、現実的ではないですが、バックエクステンションの効果は捨てがたいものがあります。

器具無し(フリーウエイト)でも、バックエクステンションと同効果を出すのは、そんなに難しくはありません。結論から言うと、ルーマニアンデッドリフトを行うことです。

背筋群に関する記事はこちら

2つのバックエクステンションのメカニズムを理解する

バックエクステンションは代表的な背筋群のトレーニングです。

「Back」は背中を、「Extension」は伸展は意味するので、直訳すると「背中の伸展運動」ということになりますが、実際には2つの方法を考慮する必要があります。

バックエクステンションの運動パターンを考えてみましょう。

パターン1. 股関節を支点としたバックエクステンション

赤:支点と位置, 黄:運動, 青:主働筋

最も行われるのはこのパターンになります。運動学的には「股関節伸展運動」なので、バックエクステンションは正しい用語ではないかもしれません。何も教わらずに、見よう見まねで背筋運動をすると、このパターンになる確率が高いと思います。

主働筋は「ハムストリング」と「大殿筋」ですが、膝伸展位での股関節伸展なので、ハムストリングが優性になります。

背筋群は使用されていないわけではなく、アイソメトリック筋収縮をしています。

ちなみに、エクササイズ名は「グルートハムレイズ」の方が近いと思います。通常のグルートハムレイズは、股関節伸展後、膝屈曲を入れるわけですが、結構、きついですよ。トレーニングを積まないとハムが痙攣します。

「Glute」は「殿筋群」、「Ham」は「ハムストリング」、「Raise」は「挙げる」を意味します。

パターン2. 腰椎(および、または胸椎)を支点にしたバックエクステンション

赤:支点, 黄:運動, 青:主働筋

もう一つが、このパターンになりエクササイズ名としてはこちらの方が正しいと思います。しかし、このパターンをできている人は少ないでしょう(おそらく専門家に教わらないと正しい動作はできない)。

運動学的には「腰椎・胸椎または脊柱伸展運動」で、ハムストリングと大殿筋はアイソメトリック筋収縮をしています。主働筋は、脊柱起立筋群をメインに背筋群となります。

この2つのパターンは、骨盤傾斜においては逆の作用をするので、目的に応じて使い分ける必要があります。

フリーウエイトでは、ルーマニアンデッドリフト!

先に記載したように、フリーウエイトで、バックエクステンションと同効果を得るためには、ルーマニアンデッドリフトを用いることになります。

ルーマニアンデッドリフト(RDL)は、パターン1(股関節)

赤:支点と位置, 黄:運動, 青:主働筋

RDLは、ヒンジ(Hinge)運動の代表的なエクササイズで「股関節伸展運動」となります。運動は、上記背筋運動のパターン1「股関節を支点としたバックエクステンション」と同じで、当然、主働筋や協働筋は「ハムストリングと大殿筋」です。

ヒンジ(Hinge)は、蝶番のことで、運動においては「股関節の屈曲と伸展」を表します。

変形ルーマニアンデッドリフトは、パターン2(胸椎と腰椎)

赤:支点, 黄:運動, 青:主働筋

ここでは、変形ルーマニアンデッドリフト(RDL)としますが、正しい名称は、ジェファーソンデッドリフトでしょうか?知っている方はぜひご教示ください。

変形RDLの運動パターンは、上記背筋運動のパターン2「腰椎を支点としたバックエクステンション」と同じになります。主働筋や協働筋は「背筋群」です。

通常、悪いフォームのデッドリフトとなるので、フィットネスクラブで行っているとスタッフ(アルバイトトレーナー)から注意されるかもしれません(^^ゞ

このフォームを高重量で行うと腰痛リスクは跳ね上がります。

負荷設定について

バックエクステンションに関して、石井直方教授は、2パターン共に軽負荷高回数(20~30RM程度)を勧めています。パターン1の主働筋はハムストリングと大殿筋なので、もう少し高重量も扱えそうですが、スティッキングポイントでモーメントアームが著しく長くなるので、腰痛のリスクは避けられません。

一方、RDFは6~12RM程度で、筋肥大効果を狙うことができます。バックエクステンションと比べても腰のモーメントアームは短いので、中負荷を用いることができるのは大きな利点です。

変形RDLは、上記にも記載したように通常は悪いフォームとなりますので、高負荷は勧められません。軽負荷高回数になりますが、実際には、20kgバーで10~20回を1セットとし、短い休息で数セット行うといいと思います。

私は、RDLおよび変形RDLをトレーニングの最初にアクティベーションエクササイズまたは動的ストレッチとして用いています。その後、メインのスクワットやデッドリフト後に、RDLを追い込みます。変形RDLは行っていません。

コントラクト種目とストレッチ種目

バックエクステンションとRDLの関節運動と主働筋は同じですが、決定的に違うことがあります。

バックエクステンションは「コントラクト(収縮)種目*」であり、RDLは「ストレッチ(伸張)種目」なので、負荷のかかる位置・ポジションが変わります。*水平のローマンベンチ台を使用した場合です。

コントラクト種目は、運動初期の負荷は低く、徐々に負荷が上がり、フィニッシュポジション(ここでは地面と水平になる地点)で最も負荷が高くなります(スティッキングポイント)。

一方、ストレッチ種目は、スティッキングポイントが最初で、徐々に負荷が下がり、フィニッシュポジションではほぼ負荷がありません。

このことを踏まえると、バックエクステンションとRDLを組み合わせることで、隙の無いエクササイズになるのかもしれませんね。

とはいえ、どちらか一方となると、やはりフリーウエイトのRDLに軍配は上がるように思えます。

その理由のヒントとして、下記を参考にしてください。

・スクワットとレッグプレスの主働筋と協働筋の効果の差についての記事はこちら

・スクワットとレッグプレスの体幹筋群の効果の差についての記事はこちら

 

最後に、お気付きかと思いますが、バックエクステンションの運動パターンは、腹筋群のクランチとシットアップの違いと同じです。以下も参照してください。

クランチとシットアップの違いについての記事はこちら

まとめ

背筋群の代表的なエクササイズである2パターンのバックエクステンションとその代替種目?であるルーマニアンデッドリフト。

  • 股関節を支点にしたバックエクステンションとRDL⇒股関節伸展(ヒンジ)運動で、主働筋はハムストリング、協働筋は大殿筋。背筋群は、アイソメトリック収縮している。
  • 腰椎を支点にしたバックエクステンションと変形RDL⇒腰椎(脊柱)運動で、主働筋は脊柱起立筋群を中心に背筋群全体。股関節伸展筋群は、アイソメトリック収縮している。

参考・引用
・筋トレまるわかり大辞典, トレーニングのホントを知りたい@谷本道哉
・筋トレ動き方・効かせ方パーフェクト事典@荒川裕志
・筋トレエクササイズ事典@有賀誠司
・トレーニングメソッド@石井直方
・ウエイトトレーニング実践編@山本義徳

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