ウエイトトレーニング トレーニング理論

【ピリオダイゼーションの実際②】大学競泳の場合(2シーズン制・試合期が短い)

2021年5月31日

前回、ピリオダイゼーションの実践編としてプロ球技をはじめとするリーグ戦等長期間試合のある競技についてまとめました。今回は実践編の2回目として、試合期が短期間の競技について、大学競泳を題材にまとめてみました。 

ピリオダイゼーションの基礎」の記事はこちら。

1シーズン制のピリオダイゼーション」の記事はこちら

試合期が短い競技とは、1週間程度で重要試合が終わる競技のこと

出典:写真ACのキイロイトリさん

試合期が短いとは、「重要試合が1日~1週間程度の期間で終了する」を意味します。決勝までが1週間程度で終わるトーナメント戦も含みます。以下にいくつかの例を挙げます。

  • 高校の競技スポーツは、ほとんどが短期間でのトーナメントではないでしょうか。
  • 陸上や水泳等試合時間が短い競技は、日本選手権等大きな大会でも数日で終了することが多いと思います。
  • バーベル競技(ウエイトリフティングやパワーリフティング)やボディメイク系(ボディビルやフィジーク)もこのタイプですね。
  • 柔道や空手は1日のトーナメント、プロ格闘技も1日1試合のみがほとんどです(打撃系格闘技のワンデートーナメント(K1とか?今も行っている?)なんかは身体の負担が大きすぎますね(*_*)
  • マラソンは競技時間は長いですが、大人数で行うので1日で終わります(連日有ったらこれもまた大変ですが(^_^;)

実は競技スポーツで最も多いのがこのタイプ(試合期が短い)になります。

実際の組み立て方、最初はニーズ分析から

基本的な組み立ては長期リーグ戦のある競技と同じで、まずはニーズ分析をします。前回、同じことを書きましたが、重要なので再度。

チームの年間計画や資料に目を通します。チーム目標、時期の練習目的、シーズン開始から試合日程、チームによっては合宿や遠征等もあるでしょう。重要イベントを把握することは重要で、その中でも最も重要なのが、試合日程であることに間違いありません。

競技にもよりますが、試合自体にも優先順序があり、言い方は悪いですが、結果は無視した捨て試合や調整試合もあるわけです(オープン戦等)。試合の重要度をA/B/Cランク付けすることが最初の作業かもしれません。

このあたりは全ての競技に当てはまることです。

以下に、私が携わっている大学競泳を題材にして説明したいと思います。

大学競泳の場合~2シーズン制で試合期間は3~7日程度

大学競泳は、2シーズン制になります。練習の計画は年間計画で進みますが、ピークとなる試合が2回あるので2シーズン制と捉えています。

4月上中旬の日本選手権と9月上旬(2020/2021年度は10月)の学生選手権(インカレ)です。すなわち重要度AまたはSの試合です

その他、5~6月にジャパンオープン(BまたはA-)など大きな試合はいくつかありますが、それらの試合でピークに持って行くことはあまりしないと思います(選手は自己ベストを目指していると思いますが、コーチ陣はインカレまでの過程として少し下のタイムを設定していると思います)。

なお、4月の日本選手権は、7~8月の世界大会(今年は東京オリンピック)の選考会も兼任していますが、代表レベルは今回除外して話を進めます。

4月および9月をピークとして、トレーニングのマクロサイクルを作成します。大学競泳は9月下旬から10月初旬からシーズンが始まるので、第1マクロサイクルが10月から4月上旬(約25週間)第2マクロサイクルは4月下旬から9月上旬(約18週間)になります。マクロサイクルは以下の3つのメゾサイクルに細分類します。大学競泳は2回ピークがあるので、このサイクルを2回繰り返します。

  • 準備期
  • 試合期
  • 移行期

X 2回

準備期
試合
移行
準備期
試合
移行

試合が長くても1週間なので、試合期の概念は無くてもいいかもしれません。初日と7日目にレースであれば、少し刺激を入れるかもしれませんが(それでも自重(水泳ではドライランドといいます))だけでも大丈夫かと)、、、積極的に行くのであれば、クイックリフトもいいですが、施設的に無理があります(試合会場の近くに宿泊するため)。

日本選手権の翌週に大学の対抗戦(翌日曜日・1日)があるので、ここまでの2週間を試合期と捉えてもいいと思います。また第1移行期は非常に短く、これも設定することも必要無いかもしれません。

  1. 第1準備期:10月~3月
  2. 第1試合期:4月第1~3週
  3. 第1移行期:数日から1週間ほど

ゴールデンウィークからインカレに向けて再発進です。

  1. 第2準備期:5月~8月
  2. 第2試合期:9月第1週
  3. 第1移行期:9月第2~4週

チームによって若干の違いはあると思いますが、概ねこんな感じだと思います。

準備期の細分類。準備期をどのように割り当てるか?チーム課題を考慮する。

準備期は、基本的には

  1. 筋肥大期
  2. 筋力向上期
  3. パワー向上期

の3期に分けるのがスタンダードです。前回も記載しましたが、筋持久力期を入れて4期とする場合もあるし、上記3期に並行して筋持久力期を入れることもあります(私は現在は導入していません。その理由は前記事を参照してください)。

準備期の「筋肥大期」「筋力期」「パワー期」をどのように割り当てるかが、S&Cの重要な役割で、チームのフィジカル目標や課題を考慮して決定していくことになります(さらに言えば、練習との兼ね合い)。

具体例な組み方

私の場合は(大学競泳であれば)、第1期は期間も長く、シーズンの序盤でもあるので筋肥大期を長めに取ります。第2期は第1期に比べ期間は短いが、第1期によるトレーニング効果が出ているので、筋肥大期は短く、筋・パワー期を長めに設定します。

第1期(日本選手権):筋肥大期重視型(筋肥大期を重視し、長めに設定する)

  1. 筋肥大期:10~12月
  2. 筋力期:1~2月上旬
  3. パワー期:2月中旬~3月
筋肥大期
筋力期
パワー期

第2期(インカレ):筋パワー期重視型(筋力期・パワー期を重視し、長めに設定する)

  1. 筋肥大期:5~6月
  2. 筋力期:7月
  3. パワー期:8月
筋肥大期
筋力期
パワー期

実際には、筋力期とパワー期を明確に分けてはいません。競泳は週2回のトレーニングは多いと思います。2~3ヶ月の中で、週1回がビッグ3(脚・背中・胸・肩)の高負荷、もう1回がプライオメトリクスやクイックリフトおよび傷害予防のエクササイズを重視しています。

ただし、このこの組み方も現チームの場合であって、チーム事情やレベルによってその内容は変わります。

次回は、ボクシング(プロ格闘技)およびパワーリフティング(バーベル系競技)です。

まとめ

  • 試合期の短い競技の分類
  • 大学競泳のピリオダイゼーション
  • 大学競泳の準備期の考え方

・ストレングストレーニング&コンディショニング第4版@NSCA Japan
・ストレングス&コンディショニングⅠ(理論編)@NSCA Japan
・自分でつくる筋力トレーニングプログラム@有賀誠司
・トレーニング指導者テキスト「実践編」@JATI
・レジスタンストレーニングのプログラムデザイン@Fleck/Kraemer, 長谷川裕(監訳)

・写真の出典:写真ACのいっちぃさん・キイロイトリさん

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