【S&C理論】トレーニングの3原理(特異性・過負荷・可逆性)~仕組みと実際

ウエイトトレーニング全般

以前、トレーニングの原理・原則の定義をまとめましたが、今回はトレーニングの3原理を掘り下げていきたいと思います。

トレーニングの原理は「トレーニングに対する効果はどのように起こるかという、身体適応の基本的な仕組み」、トレーニングの原則は「トレーニングの原理に基づく、効果的なトレーニング方法を構築するための基本ルール」と定義(谷本道哉 コーチングクリニック2012年3月号)しました。

トレーニングの原理・原則の定義はこちら

トレーニングの3原理(特異性・過負荷・可逆性)

  1. 特異性の原理
  2. 過負荷の原理
  3. 可逆性の原理

特異性(SAID)の原理

最近はあまり言わないかもしれませんが、SAIDの原理とも言います。SAIDは単語ではなく、解剖学等でよく使われる略語の一つです。正式には「Specific Adaptation to Imposed Demand」となり各イニシャルを合わせてSAIDです。specificは特別、特殊を意味し、Adaptationは適応、Imposedは受け身なので課せられた・与えられたとなります。Demandは要求なので、NSCA JAPANでは、「課せられた刺激に(要求)に対する特異的な適応」と訳しています。

要約すると、「行った運動やトレーニングに身体は適応する」と言うことです。例を挙げた方がわかりやすいと思います。

例1. ベンチプレスをすれば上半身前面の筋力向上および筋肥大する

  • ベンチプレスを行えば、上半身前部の筋肉が付き、筋肥大する。さらに言えばベンチプレスが強くなる。
  • ベンチプレスを行っても脚は速くならない(実際には、ランニングフォームの上半身の姿勢改善等でほんの少し効果はあると思われますが、間違いなくメイン要素ではありません)。

例2. ランニングの特異的効果

  • 走ることにより、長時間をゆっくり走れば全身持久力が向上し(スプリント力は向上しない)、短い距離を全力で走ればスプリント力(スピード)が向上する(全身持久力は向上しない)。

例3. トップアスリートの体系には似ている(競技別)。

  • トップアスリートは、その競技特性に最も適応した人たちなので、比較的似た体形をしている。言い換えれば、体系を見れば、その競技を推測できます。

過負荷(Over Load)の原理

日常生活で使用する体力(筋力)は約30%です。日常生活レベルの活動のみでは体力の向上は、見込めません。日常生活以上の活動をするのであれば日常生活以上の負荷をかける必要があります(過負荷)。

NSCA JAPANでは、筋力向上に最大筋力の60%以上が必要とありますが、初期段階では40~50%でも十分に効果が得られると思います。当然ながら、すぐに効果は停滞するので、一般的なトレーニーであれば最大筋力の70~80%でトレーニングするのが妥当でしょうか。

さらに、NSCA JAPANは筋力に特化して表現していますが、当然のことながら筋力だけではなく、その他の体力要素も過負荷を掛けることで強くなります。

なぜ、トレーニングするのか?

なぜ、競技練習・試合以外に、トレーニングをするかと言えば、トレーニングは練習・試合以上の負荷をかけることをできるからです(過負荷)。効率よく体力要素を鍛えることができるわけです。

ウエイトトレーニングは、練習・試合よりも筋力を上げることができ、同じように、持久力トレーニングは、全身持久力を向上することができるわけです(若年層、小中学生は練習だけでも過負荷になるので十分に体力は向上します。その中で陸上部は体力要素に特化した競技なので、若年時に陸上を行うことはフィジカルモンスターを作り出すことになるのかもしれません)。

可逆性(Reversibility)の原理

読んで字のごとく、「トレーニング効果は逆戻りすることもある」ということです。適切なトレーニングをすれば、特異的に体力は向上しますが、トレーニングを止めれば(ディトレーニング・detraining, de-は打消しの意味もある)、体力は元に戻り、さらにトレーニング(身体活動)をしなければ、体力は元の状態どころか低下することもあるわけです。

この可逆反応を起こさないためにもトレーニングは継続する必要があります(継続性の原則)

なお、NSCAは可逆性の原理については触れておりません。

まとめ(谷本道哉先生の表現)

  • 特異性の原理→トレーニング効果は、トレーニングによって「身体に課せられた刺激に対して特有の体力要素」に表れる。
  • 過負荷の原理→体力レベルを向上させるには、運動によって一定水準以上を与える必要がある。
  • 可逆性の原理→トレーニングによる体力の向上効果は、トレーニングをやめればいずれ元のレベルに戻る。

次回は、トレーニングの5原則

出典・引用・参考
・コーチングクリニック 2012 年 3 月号 P54,55(谷本)
・NSCA 決定版ストレングストレーニング&コンディショニング (第4版)
・ストレングス&コンディショニングⅠ@NASA JAPAN

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