有酸素トレーニングの強度については、下記にまとめたが、今回は実際の使用例についての2回目、アスリート編(プロボクサー)です。
有酸素トレーニングの強度
運動強度は、基本的には以下の3つの方法で考えます。
- 物理的強度(速度,仕事率)
- 生理的強度(心拍数, VO2max)
- 主観的強度(Borgスケール)
アスリート(プロボクサー)の持久力トレーニングにおいても自身のトレーニング同様、物理的速度と主観的強度を重視しています。
プロボクサーのトレーニング
ボクサーのトレーニングは通常二部連で、早朝のロードワークは自主トレーニングになります。
ランクやレベルにもよるが、5~10km/回で5~6回/週行うのが通常です。強度はLTベースをメインにさらにスプリント等を絡める選手が多いと思われ、60〜90分程でしょう。
夕方・夜間はジムワークで1R3分、レスト1分のインターバル(試合)形式で有酸素ベースのトレーニングが主で約2時間です。
物理的運動強度~速度重視
週1回全身持久力の強化として合同ラントレを行っています。
時期にもよるが、試合が近い人向けに主にインターバルトレーニングを処方することが多く、基本的には距離走で、時期とレベルにより400m~4kmで距離と本数を使い分けます。
LTベースのトレーニングを下限として、その速度は軽量級選手では4:30/km、すなわち13.3km/hです。
インターバルトレーニングは、距離に応じて3:20~4:00/km、すなわち15~18km/h辺りまで強度を上げます。中重量級選手や女子選手は若干遅い速度となります。
主観的運動強度~ボルグスケール
もう一つ重要視しているのが主観的強度ですが、さすがにプロは心理的限界が高く、Borgスケール15(修正スケール5程度)であれば、心拍数は160拍/分後半までは上げれると計算しています(経験上でが)。
Borgスケール18(修正スケール8程度)は180拍/分以上と捉えています。LTが15, ロングインターバル(2km~4km)が16,17, ミドルインターバル(800~1000m)で17,18, ショートインターバルは400~500mで18以上と設定しています。
あくまでも私が指導させていただいている選手のレベルです。いち参考値として捉えてください。
生理的運動強度~心拍数
個人で心拍数時計を所有している選手には、トレーニング内容において数値を指定しています。目安はBorgスケールの約10倍ですが、1セット目の心拍数を見て微調整します。
サーキットトレーニングやジムワーク(サンドバック等)では心拍数と主観的強度が有効で、当然、物理的強度は意味を成しません(^^♪
・ストレングストレーニング&コンディショニング第4版@NSCA JAPAN
・ストレングス&コンディショニングⅠ理論編@NSCA JAPAN