ウエイトトレーニング トレーニング理論

【プログラムデザイン】上背部エクササイズはコアエクササイズor補助エクササイズ?

2019年5月26日

上背部エクササイズの重要性

上背部のエクササイズは、ウエイトトレーニング人気ナンバー1でありビッグ3のひとつでもあるベンチプレスに比べると、以下の理由で人気は落ちます。

  • ミラーマッスルで無いために見た目の効果が一見わかりにくいこと
  • 難易度が高く、効果がでにくいこと
  • 単純にきついこと

しかし、その重要性はベンチプレスを凌駕する(ベンチ台に寝てプレスするベンチプレスはかなり非特異的エクササイズ)と考えられます。

上背部エクササイズの分類

上背部エクササイズは、大きく2つのカテゴリーに分類されます。

プル(Pull)系

上から下に引くタイプのエクササイズでラットプルダウン(Lat Pull Down)やチンニング(Chinning, 正式にはChin Up or Pull Up)が代表的なエクササイズです(チンニングはチンニング系として別に扱う場合もありますが、関節運動は同じなのでここではPull系とします)。

ロウ(イング), Rowing系

前から後ろに引くタイプのエクササイズでベントオーバーロウやシーテッドロウ等Row(ing)がつくエクササイズ、そもそもRowingはボート競技のことで、その運動の相似性から命名されたと思われます。

*ケーブルを使用したプルオーバー(肩伸展運動)は、第3カテゴリーとしていいと思います(フリーウエイトのプルオーバーは胸部と捉えています)。肩伸展運動なのでRowの変形と捉えることもできますかね?

コアエクササイズか? それとも補助エクササイズか?

上背部エクササイズは、ビッグ3に次ぐ、場合によっては同等以上の位置づけにありながら、NSCAやJATI等のトレーニング団体では、コアエクササイズでは無く、補助エクササイズに位置付けられています。なぜ、補助エクササイズなのかを考察しましょう。

コアエクササイズの定義

コアエクササイズの定義は、
大筋群を動員するエクササイズであること
かつ
多関節エクササイズであること

です。主働筋は広背筋と僧帽筋の大筋群、そして肩、肘関節、更には肩甲骨を動かす多関節エクササイズであり、上記2つを満たすにもかかわらず、なぜか補助エクササイズに甘んじています。

その理由としては、
(1)多関節エクササイズではあるが、上背部エクササイズは上腕屈曲筋群の導入をなるべく減らすという考えがあること(肩の単関節運動として捉える)と

(2)コアエクササイズの3つ目の定義 ③安全で効果的な1RMテストが実施できるに反するからと考えています。

上背部エクササイズの代表的なベントオーバーロウは、高重量を用いることができるエクササイズではありますが、姿勢維持やチーティング(それ自体は必ずしも悪くないですが)が起こりやすく難易度が高くなります。

そのため上背部エクササイズは6~10RMでプログラムされることが多く、これがコアエクササイズでない理由の一つと考えられます(補助エクササイズは、通年で8~10RM程度を使用する)。

とはいえ、その重要性に疑うべきものは無く、積極的に取り入れるべきエクササイズであることに間違いはありません。当然、私の中で上背部エクササイズはコアエクササイズであり、通年で行わない時期は無りません。

参考:上背部のベストエクササイズは?

参考
・ストレングス&コンディショニングⅠ(理論編)@NSCA Japan
・トレーニングメソッド@石井直方
・筋トレエクササイズ事典@有賀誠司

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