スクワットとデッドリフトは、いずれもウエイトトレーニングのビッグ3に数えられる最も重要なエクササイズです。この二つのエクササイズを比較・考察したいと思います。
スクワットとデッドリフトのメカニズム(関節運動)
スクワットとデッドリフトの基本メカニズムは、股関節伸展および膝関節伸展(厳密には足関節底屈も入ります)と同じであり、主働筋も大腿四頭筋、大殿筋、ハムストリングスということになります(股関節伸展においては、膝の運動が入る分、大殿筋が優性です)。フォームや体形により、その比率にも違いが出てくると考えられます。
私を含むS&Cやトレーナーの方々は、スクワットやデッドリフトは脚および臀部のエクササイズと捉えてると思いますが、パワーリフターの方々はデッドリフトは背中の種目としている選手も少なく無いと思います(固有背筋群の関与や肩甲骨の内転作用が大きいため)。これも納得できます!
スクワットとデッドリフトの位置づけ
私の脚・臀部のメインエクササイズはスクワットで通年で行いますが、デッドはパワーの試合2か月くらい前から導入する(最大筋力期から)ことが多いです。その理由としては、
- スクワットをしていれば、それに伴いデッドリフトの重量(5RM程度)も向上するため。
- デッドリフトは、スクワットよりも腰痛のリスクが高いため(モーメントアームの差)。
クイックリフトとの関係
一方、クリーンやスナッチ等、クイックリフトは常にトレーニングしていますが、デッドリフトをしている時のほうが好調で高重量も挙がりやすい傾向にあります。この理由としては、
- クイックリフトのファーストプルはデッドリフトであるため、その特異性から。
- 筋力期で最大筋力が上がっているため(筋肥大期はボリュームが多いため、疲労もある)。
- デッドリフトの方が、スクワットよりも高重量を扱えるので、神経系がより活性されるため。
などが考えられます。やはりクイックリフトは脚(大腿)よりもケツということでしょうか、、、(デッドリフトはスクワットと比べ、股関節の関与が高い)。
スクワットとデッドリフトのプログラムデザイン
自身のトレーニングでは、筋肥大期は、スクワットのみで中4日ルーティン、筋力期に入ると中4日ルーティンは変わらないですが、
- スクワットメイン(オンリー)
- デッドリフトメイン(スクワットEasy)
に分割します。
スクワットにおいては、筋肥大期はハイバーで脚メイン, 筋力期以降はローバーおよびデッドリフトで殿部メインとしています。
スクワットメインの場合、臀部というよりハムストリング目的でRDLをすることが多いです。
パワーリフティングでは、ワイドデッドの方が重量において有利になることがありますが、ストレングストレーニングと捉え、クイックリフトに繋げるのであればナローデッドの方が好ましいと思います。
King of Exercise
逆に、デッドリフトメインでスクワットの重量が向上するかは、なかなか難しいのではないかと予想します。ハーフスクワットであれば適応するかもしれませんが、パラレル~フルだと可動域の問題で適応はしがたいと推測します。
これらから、スクワットをしないという選択肢は思い浮かばないですね。嫌だけど!!
・トレーニングメソッド@石井直方
・筋トレまるわかり辞典@谷本道哉