ウエイトトレーニング パワーリフティング

【ウエイトトレーニング】ビッグ3とパワーリフティング。目的か?手段か?

2018年8月7日

ウエイトトレーニング(WT)のビッグ3といえば、言わずと知れた「スクワットSQ」「ベンチプレスBP」「デッドリフトDL」のことです。そしてパワーリフティング(PL)はこの3種目の最大挙上重量を争う競技です。

ウエイトトレーニングの目的

ウエイトトレーニングの目的は、筋肥大および(最大)筋力の獲得といえ(一部、アスリートはさらにパワー向上も入ると思われる)、ビッグ3の主働筋は、BP「大胸筋」、SQとDLは「大腿四頭筋」「大殿筋」「ハムストリング」となりますが、トレーニングの目的や体格を考慮し、フォームや負荷に変化をつけることが重要です。

パワーリフティングにおける重要2要素

一方、PLは筋力はもちろんのこと、挙上重量を最大限にするための(バイオメカニクス的に有利な)フォームを習得する必要があります。

名著「パワーリフティング入門」によると、PLの重要2要素は

  1. バーベルの動きおよび関節の動きを最小にすること
  2. なるべく多くの筋肉を一度に使うこと

とあります。2. に関しては、WTとPLの共通項かもしれません。補助種目として、アイソレート種目を用いて単一の筋に効かせる方法もありますが、基本はコアエクササイズと呼ばれる多関節エクササイズ(Big3やクイックリフト等)となります。

可動域に関する考察

1. の仕事や可動域に関しては、WTとPLでは全く逆の発想になります。PLではルール内でなるべく可動域(仕事)を少なくして、重量を求めます。

WTでも重量は重要項目ですが、必ずしも最大筋力(1RM)は必須ではありません(最低筋力は必要)。WTの目的の一つに柔軟性(可動域)の確保があるので、むしろ可動域は大きくするのが原則です(もちろん、過剰はNG)。

PLの目的は、3種目の挙上重量をルール内でいかに重くするか。それに対して、WTの目的は、筋肥大や筋力を中心とした体力を向上させることとそれに伴う傷害予防にあります。

PLの場合、ある意味傷害予防は無視していることもあります。例えば、SQにおいてはPLではLow Bar SQが主流ですが、それが挙上重量を増やすのに適当だからです。しかし、そのフォームから通常のHigh Bar SQに比べ、腰や肩・肘にかかる負担は大きくなります。一般のフィットネスや多くの他種目のアスリートにとっては弊害かもしれません。

当然ではありますが、PLにおいても筋肥大は重要(でかくないと最大筋力は上がりません)、半端無くでかいですからね、リフターの方々は。

バリエーションの重要性~スクワットの場合

実際、私はPLを行いますが、いちトレーニー、そしていちS&CとしてPLを始めたので、必ずしも指導上のSQがLow Bar SQではありません。むしろ、ほとんど指導したことは無いです(自分のトレーニングでは当然使用する時期はあります)。

挙上重量を第一に考えるのであれば、Low Bar SQが良いのでしょう。殿筋重視であれば、Posterior Chainを考慮したフォームがベストかもしれません。最近は、膝に負担がかかるという理由で、否定するトレーナーも多いですが、スタンダードのHigh bar SQは覚えておくべきベーシックフォームです。

Posterior chain は重要だが、SQはどちらかといえば大腿四頭筋の種目だと思うので、極端に膝が出ないのであれば、High Bar SQは行うべきエクササイズだと思います。唯一無二のフォームは無いので、目的に応じたフォームで最大限の効果を上げることが肝要です。

Big3を極めたものがPLではありませんが、マスターズリフターの一人として、PLは素晴らしい競技であるということに変わりは無いですね!

引用・参考
・パワーリフティング入門@吉田進
・続パワーリフティング入門@吉田進
・スターティングストレングス@Mark Rippetoe (著), 八百 健吾 (訳)

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