解剖生理学・運動学

【生理学】呼吸器系の基礎①~呼吸の3要素と呼吸器の構成を理解する

2021年1月27日

前回は、循環器の構成と構造をまとめました。「ガス交換」を司る「呼吸器」と「循環器」は密接な関係があるので、「循環器」の細かい機能の説明の前に「呼吸器」の構成と構造をまとめておきたいと思います。

循環器の構成に関する記事はこちら

呼吸の3要素

重宝している「生理学の基本」によると、呼吸とは、生命維持に不可欠な酸素を外気から取り入み、代謝によって体内で発生した二酸化炭素を捨てるプロセスのことと定義しています。

呼吸は以下の3つのプロセスにより成り立ちます。

  1. 呼吸運動
  2. 換気
  3. ガス交換

呼吸運動・換気・ガス交換

呼吸の各定義は以下の通り

  1. 呼吸運動:息を吐く「呼息」と息を吸う「吸息」のこと。
  2. 換気:呼吸運動の際に起こる肺への空気の出入りのこと。
  3. ガス交換:酸素と二酸化炭素の入れ替えのこと。

呼吸器の構成と構造

呼吸器

出典:ナースフルHP https://nurseful.jp/nursefulshikkanbetsu/pulmonology/section_0_01/

呼吸器は構成は、以下の通り、

  1. 気道
    1. 上気道
      1. 鼻腔
      2. 咽頭
      3. 喉頭
    2. 下気道
      1. 気管
      2. 気管支
      3. 細気管支
  2. 肺胞

鼻腔

「鼻腔」には、「鼻毛」や「粘膜」があり、外部からの異物を除去する役割があります。くしゃみはその反応です

また、呼吸器における鼻腔の役割は、「吸気における加温・加湿」です。粘膜機能が低下したり、口呼吸をすると異物(ウィルスや細菌)が体内に入り、体調を崩すことになりかねません。

咽頭と喉頭

「咽頭」と「喉頭」を合わせて「咽喉」となり、一般的にいう「のど」になります。咽喉も粘膜で覆われています。

  • 「咽頭」は、「鼻腔」と「口腔」が繋がる部分
  • 「喉頭」は、「咽頭」と「気管」の間の組織

ですが、食物が気管に入らないようにする「喉頭蓋」が存在します。喉頭蓋は自律神経支配で、食物が口腔に入ると、気管に蓋をします。

咽喉に異物が入ると、咳により排除しようとします。

気管

「気管」は、空気を肺内に入れる通路で、内面粘膜にある「線毛細胞」が異物除去の役割を果たします。食物や飲料が間違って入るとむせたり、風邪等の病原菌が入り込むと咳き込むのはその反応です。

「肺」の運動により「呼吸」は行われますが、実は肺は自動運動ができませんその周りにある肋間筋群や横隔膜の呼吸筋の運動が、「呼吸運動」および「換気」を行っています。肺は、空気を取り入れるための単なる器です。

肺胞

肺胞」は、呼吸器の最重要組織で、直接のガス交換の場です。肺動脈の毛細血管から二酸化炭素を受け取り体外に排出し、換気により入ってきた酸素を肺静脈の毛細血管内にあるヘモグロビンに乗せ、心臓(さらには全身)まで送ることになります(後日まとめます)。

肺胞

出典:ナチュレキュアHP https://naturecure.co.jp/2019/04/22/kokyu/

ガス交換に関する記事はこちら

用語のまとめ(和名・英名)

専門用語のまとめです。必要に応じて追加しています。

呼吸器respiratory system
  
気道reapiratory tract
鼻腔nasal cavity
咽頭pharynx
喉頭larynx
気管trachea
気管支bronchi
細気管支bronchiole
lung/plumonary
肺胞alveoli
  
呼吸respiration
呼気exhalation
吸気inlhalation
換気ventilation

引用・参考
・ストレングストレーニング&コンディショニング第4版@NSCA Japan
・Essentials of Strength Training & Conditioning second edition@NSCA
・ストレングス&コンディショニングⅠ(理論編)@NSCA Japan
・トレーニング用語辞典@ウィダー
・生理学の基本@中島雅美(監修)
・生理学の基本がわかる事典@石川隆(監修)
・解剖生理学@志村ら
・Modern Medical Language@C.Edward Collins, Juanita J. Davies

・イラスト(アイキャッチ画像)は、イラストACのacworksさん

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