ウエイトトレーニング トレーニング理論

【プログラムデザイン】胸部のトレーニングで押さえておきたい重要項目

2023年2月26日

胸部の代表的な種目である「ベンチプレス」はビッグ3のひとつであり、男性人気断トツのNo1.です(女性には不人気のようです(^^♪)

今回は胸部のプログラムについて考察したいと思います。

以下の、「胸部のプログラムデザイン」および「負荷と回数設定」は前回の上背部とほぼ同内容なので、飛ばしても問題ありません。

上背部のトレーニングに関する記事はこちらを参照してください。

脚部・臀部のトレーニングに関する記事はこちらを参照してください。

胸部のプログラムデザイン

胸部は、特に重要なので、少なくとも週に1回は過負荷を掛けたい部位です。

トレーニングにどれだけ時間を費やせるかによって、プログラムは変わってきます。

  • 全身プログラム
  • 上半身プログラム
  • 上背部プログラム

トレーニング頻度の関する記事はこちらを参照してください。

全身プログラム

週1~2回、ウエイトトレーニングを行うことができるのであれば、できる限り全身の筋肉に負荷を掛けることになると思います。

大筋群を中心にプログラムを組むことになると思うので、「脚・臀部」「上背部」「肩部」のコアエクササイズと一緒に行うことになります(胸部もコアエクササイズです)。

1回で全身のトレーニングを行うのは、効率は良いですが、疲労度も高く、後半の種目は中々鍛えきれないデメリットがあります。

持久系種目のアスリートやフィットネス目的の方は、このパターンが多いかもしれません。

コアエクササイズに関する記事はこちらを参照してください。

上半身プログラム

週に2~3回、トレーニングできるのであれば、上半身と下半身に分けるスプリットルーティンを用いることになると思います。

上半身に絞るので、全身プログラムよりも上半身の種目を多くすることができます。

「胸部」「上背部」「肩部」「腕部」等になりますが、胸部は上半身の中でも重要、かつ人気もある部位なので、最初に持ってくる方が多いと思います。

エクササイズの配列・順序に関する記事はこちらを参照してください。

スクワット等、下半身種目が無いので、全身プログラムよりは効果が高いですが、上背部(ロウイングやチンニング等)と組み合わせことになるので、共通の協働筋である上腕三頭筋の疲労がポイントになるかもしれません。

上背部の後に胸部種目を行えば胸部の効果がやや落ちる可能性があります(ベンチプレスの重量が落ちる等、私は確実に落ちます)。

筋力が重要な競技選手は、上記のデメリットは有りますが、練習やその他のコンディショニングを考慮すると、上半身プログラムに組み込むことが多いかもしれません。

スプリットルーティンに関する記事はこちらを参照してください。

胸部プログラム

週3回以上トレーニングを行えるのであれば、より部位を絞ったスプリットルーティンが可能になります。

週5回程度取れるのであれば、胸部に特化したプログラムも可能でしょう。

週3~4回であれば、胸部と肩部さらには腕(の一部)を組み合わせることになるかもしれません。

ボディビルダー・フィジーカー・パワーリフター等バーベル競技選手やヘビートレーニー、さらには特に筋力が重量な競技選手(投擲やアメフト・ラグビー等)はこのパターンが多いと思われます。

負荷と回数設定

負荷と回数に関しては、

  • 筋肥大期
  • 筋力・パワー向上期

では、設定を変える必要があります。

負荷と回数設定に関する記事はこちらを参照してください。

筋肥大期

胸部に限らず、ウエイトトレーニングで最も重要な筋肥大期の負荷は、8~10RM(70~80%1RM)あたりです。

しっかり効かせて、できる限りオールアウトすることが重要になってくるでしょう(真のオールアウトは相当のレベルでないと難しい)。

筋力・パワー向上期

胸部の主働筋は、大胸筋(大筋群)となるので、高負荷を扱うことができます。

競技や目的にもよりますが、積極的にMax(1RM)を狙うこともできます。

胸部の種目紹介

代表的な胸部の種目を5つ紹介します。

  • ベンチプレス
  • ダンベルベンチプレス
  • ダンベルフライ
  • ライイングプルオーバー(フリーウエイト)
  • プッシュアップ

(バーベル)ベンチプレス

断トツの人気No.1種目です(ただし、男性に限る)。

ウエイトトレーニング = ベンチプレスと考えている人も少なくなく、ベンチプレスの最大挙上重量は、ジム内のヒエラルキーを決定することもあるようです。

ベンチプレスの関する記事はこちらを参照してください。

ダンベルベンチプレス

上記のベンチプレスはバーベルで行い、ダンベルベンチプレスはダンベルを使用します。

主働筋や運動パターンは、バーベルベンチプレスと同じと考えていいと思いますが、

可動域や筋バランスの面でメリットが大きいですが、ベンチプレス程人気は有りません。

その理由は、以下の記事で述べています。

個人的には、アスリートやフィットネスにおけるトレーニング効果という点では、ダンベルベンチプレスの方が勝っていると思います。

ダンベルベンチプレスの関する記事はこちらを参照してください。

ダンベルフライ

胸部の補助エクササイズでは、人気No.1かもしれません。

ベンチプレスのボトルネックとなる上腕三頭筋が関与しないので、大胸筋にフォーカスできるメリットがあります。

代表的なストレッチ種目なので、可動域にも効果が高いですが、反面、モーメントアームが長いため、重量設定を間違えると、肩の傷害リスクを高めます(ダンベルベンチプレスの1/2程度の重量が妥当)。

ライイングプルオーバー

プルオーバーは、広背筋のトレーニングとも考えられますが、フリーウエイトでは、肩伸展運動があおむけになった状態で顔上(肩の真上)になるので、広背筋の作用は小さいと考えられます。

ダンベルフライ同様ストレッチ種目なので、ダンベルフライのメリットおよびデメリットを持ちます。

横のダンベルフライ、縦のライイングプルオーバーでしょうか。

プッシュアップ

代表的な自重エクササイズですが、効果は高いと思います。

筋肥大や最大筋力の効果は、ベンチプレスの後塵を拝しますが、運動能力を高めたり、プランク効果もあるので、アイソメトリックな腹筋群も鍛えることができます。

詳細は、以下の記事を参照してください。

プッシュアップに関する記事はこちらを参照してください。

拳立て伏せに関する記事はこちらを参照してください。

プログラム例

やはり、胸部の主役は「ベンチプレス」となるでしょう。

メインは、バーベルベンチまたはダンベルダンベルベンチプレス。この2つを同時に用いることもありますが、むしろ週に2回以上の胸部トレーニングがある場合は、週内で分ける方がいいのでしょうか。

目的により、「ナローベンチ」「トップサイドベンチ」「インクラインベンチ」「ディップス」などを組み合わせることもありますが、これらはすべてプレスになるので、やり過ぎには注意しましょう(上腕三頭筋のオーバートレーニングになります)。

補助エクササイズとしては、三頭筋の関与の無い「ダンベルフライ」が筆頭に挙げられることになるでしょう。その代替種目として、ケーブルクロスオーバーなども考えられますが、大きなジムでないと置いてないかもしれませんね。

私自身のプログラム

私自身も上記を中心にプログラミングすることが多く、年間を通して種目はほぼ変えず、時期により負荷や回数に変化を付けます(筋肥大・筋力向上等)。

  1. ベンチプレスorダンベルベンチプレス
  2. トップサイドベンチプレス
  3. ナローベンチ
  4. インクラインダンベルベンチ
  5. ダンベルフライ

ベンチプレスはフィニッシュが弱点でもあるので、ベンチプレスの後に、トップサイド(パーシャルレンジ)やナローベンチ(三頭筋強化)を入れることが多く、筋肥大期では「ナロー」、筋力期では「トップサイド」を用います。

そして、足りなければ、ダンベルフライを追加するといった感じです。

また、フラットベンチだけだと、薄くなりがちな上部の強化でインクラインを入れることもあります。

胸部では無いですが、リアサイドレイズ(三角筋後部)は上半身のトレーニングでは必ず入れ、締めの種目としています。

まとめ

胸部のプログラムデザインは、以下の3つのプログラムに組み込まれることになるでしょう。

  • 全身プログラム
  • 上半身プログラム
  • 上背部プログラム

初級者や持久系競技選手は、週1回の全身プログラムに、中級者以上のトレーニーや筋力がより重要なアスリートは、上半身や胸部のみ(+肩部、腕の一部)のスプリットルーティンが有効です。

条件設定(負荷と回数)は、基本的には

  • 筋肥大期
  • 筋力・パワー向上期

に分け、よりベターな効果を狙っていきます。レベルや目的により内容は変わっています。

胸部の代表的な種目

  • (バーベル・ダンベル)ベンチプレス
  • ダンベルフライ
  • ライイングプルオーバー
  • インクラインベンチプレス
  • プッシュアップ

 

参考文献
・筋トレエクササイズ事典@有賀誠司
・筋肉まるわかり大辞典1/2, トレーニングメソッド@石井直方
・筋トレまるわかり大辞典@谷本道哉
・筋トレ動き方・効かせ方パーフェクト事典@荒川裕志
・ウエイトトレーニング理論編@山本義徳

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