メンタルトレーニング

【メンタルトレーニング】ゾーンという究極の集中力

2022年2月28日

ゾーンに入る。元々は、メンタルトレーニングからの用語だと思いますが、最近では、アスリートだけに限らず、一般的にもよく聞く言葉です。

以前から幾つか紹介している、特定非営利活動法人 日本トレーニング指導者協会機関誌「JATI EXPRESS」の高妻溶一教授(東海大)のコラム「競技力向上のレーニング」Vol53サブタイトル「ゾーンという究極の集中力」からゾーンを紐解いていきたいと思います。

メンタルトレーニングとの出会い

メイン契約先のひとつである川崎新田ボクシングジム(以下、新田ジム)では、メンタルトレーニングにも力を入れており、開始当初は高妻教授が直接講義をされていましたが、現在はお弟子さんが担当しています。

当然、メンタルトレーニングは、私の専門ではありませんが、幸運にも高妻教授やお弟子さんのメンタルトレーニングコーチと多くコミュニケーションが取れ、一時期は、フィジカルトレーニング終了後にメンタルトレーニングセミナーが行われたこともあり、私も最低限の知識を得ることができました。

新田ジムの選手のメンタルトレーニングにおける恩恵はかなり大きく、当時、才能はありながら伸び悩む選手が多かったなか、メンタルトレーニングを導入するすることで、日本または東洋太平洋チャンピオンまで登りつめた選手もいます(現在は、さらにその上、世界を目指しています)。

その際(下馬評不利のタイトルマッチ)の、パフォーマンスは、まさにゾーンに入った状態だったと強く記憶しております。

写真.古橋岳也選手・日本Sバンタム級王者(新田ジム)

メンタルトレーニングの目的

スポーツ選手が、メンタルトレーニングを取り入れる最大の理由は、試合に勝つ(可能性を高める)ためです。

試合に勝つためには「最高のパフォーマンスを試合時にいかにして発揮するか」が大事であり、そのための「心の準備・強化・トレーニングをすること」がメンタルトレーニングとなります。

アスリートが、どのような心理状態のときに最高のパフォーマンスを発揮するかを理解するためにも、我々フィジカルコーチもメンタルトレーニングを学んでおくことは重要なワンピースだと思います。

ゾーン(zone)とは?

ゾーン(zone)の直訳は、地域、区域、地帯にあたり、ある領域または範囲と捉えるといいと思います。

コラム内では、集中力が最高度に高まった状態を「ゾーン」と定義づけています。その他、「フロー、火事場の馬鹿力、ピークパフォーマンス、理想的な心理的状態」と呼ぶこともあります。

適度な緊張とリラックス状態、または適度な不安やプレッシャーと適度なやる気がある状態でゾーンには入りやすいようです。

言い換えると、5:5から4:6の下馬評あたりが出やすいではないでしょうか?

例えば、実力差があり過ぎて(下馬評9:1や8:2レベル)、緊張感のない試合の場合、負けることは無いにしても、舐めすぎてパフォーマンス自体は良くないかもしれません(練習不足にもなりやすい)。

逆に、相手が強すぎると、緊張や恐怖が先行し、これまた力を出し切れないこともあるでしょう。

リラックスし過ぎてもダメ、緊張し過ぎてもダメということです。

実際にゾーンに入った時の感覚(選手の主観)

ゾーンに入ったときの感覚として、以下のものが紹介されています。

  • 楽しい・リラックス・いい心理状態・気楽な気持ち
  • 強気・やる気・いけるという気持ち・プラス思考
  • ほど良い緊張
  • 結果を考えない
  • 時間が短く感じた
  • 疲れなかった
  • 身体が軽かった
  • 身体が自然に動いた
  • ウォーミングアップがいい感じだった
  • 焦りがなかった・平常心
  • 自信があった・勝てると思った・負ける感じがしなかった
  • まわり(相手)の動きがよく見えた・ゆっくり見えた
  • まわりの雑音が聞こえなかった
  • 今まで感じたことのない力を感じた・出せた
  • 成功プレーのイメージしか湧かなかった
  • ミスが無かった
  • 自分を中心にプレーが進む感じ
  • 独特の興奮・高揚感・快感があった
  • コントロールができている感じ
  • 無意識、直感的、自動的にプレーをしていた
  • 肉体的な変化を感じた
  • 誰かが手伝ってくれた感じ

ゾーンに入るための10要因

スポーツ心理学の研究では、以下の10要因がゾーンに深く関係しているとしています。

  1. 試合前のプラン
  2. 自信と心理状態
  3. 身体的準備と心理的準備
  4. 興奮のレベル
  5. 自分のプレーをどう感じるか、自分の進歩をどう感じるか
  6. プレーへのやる気
  7. 環境と状況の条件
  8. 集中力
  9. チームプレーと相互条件
  10. 経験

これらの10要因が組み合わさり、総合的に作用して、ゾーンに入るという状態が作られるようです。そのためには、下記の心理的スキル・トレーニングを繰り返すことで、意図的にゾーンに入れるようになり、世界のトップレベルでは、79%がゾーンの入り方を理解しているとのことです。

ゾーンに入るための心理的スキルまたはトレーニング

  1. 目標設定
  2. モチベーション
  3. リラクゼーション
  4. サイキングアップ
  5. イメージ
  6. 集中力
  7. セルフトーク
  8. プラス思考
  9. 理想的な心理状態

個々のスキルに関しては、折を見てまとめたいと思います。

高妻教授の著書はたくさんありますが、興味がある方は、まずは基礎の1冊を手に取るといいと思います。

・JATI EXPRESS Vol53 競技力向上のためのメンタルトレーニング@高妻溶一
・基礎から学ぶ!メンタルトレーニング@高妻溶一

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