メンタルトレーニング

【メンタルトレーニング】自信(confidence)と経験(experience)

2022年7月18日

自信は、実力発揮に大きく貢献するもので、スポーツに限らず、人生においても重要な要素です。

今回は、メンタルトレーニングの第一人者、高妻容一教授(東海大)の著書やコラムを基に「自信」について理解していきましょう。

メンタルトレーニングの目的

これは、前回のメンタルトレーニングの記事(ゾーン・集中力)にも載せましたが、復習も込めて再掲載します。

スポーツ選手が、メンタルトレーニングを取り入れる最大の理由は、試合に勝つ(可能性を高める)ためでしょう。

試合に勝つためには「最高のパフォーマンスを試合時にいかにして発揮するか」が重要であり、そのための「心の準備・強化・トレーニングをすること」がメンタルトレーニングとなります。

アスリートが、どのような心理状態のときに最高のパフォーマンスを発揮するかを理解するためにも、我々フィジカルコーチもメンタルトレーニングを学んでおくことは重要なワンピースになると思います。

自信(self-confidence)とは?

自信は、理想的な心理状態になる要素の一つで、ゾーンに入った状態と考えられます。

高妻教授は、ご自身のコラムで「自信があるとは、不安や心配、邪念や雑念のないプラス思考の状態であり、無心、集中、ゾーン、火事場の馬鹿力という言葉で表現できる心理状態」と記載されています(JATI EXPRESS Vol55(メンタルトレーニングVol22))。

さらに自信を持つには

  • 自己分析ができていること(得意・不得意の理解)
  • 自分がどこまでできるかを知っておくこと

が重要で、自身の器を知り、「自分ができること・コントロールできることに自信を持てばよい」ことになります。

自身の器以上に自信を持つのは、過信になってしまうのかもしれません。

ゾーンに関する記事はこちらを参照してください。

結果による自信とプロセスによる自信

自信を付ける方法は、大きく2つに分類されます。

  • 結果による自信
  • プロセスによる自信

結果による自信

最も一般的には、自信を付けるには、結果を残すことが重要でしょう。勝つことや成功することで自信を重ねていくことになると思います。

元5階級制覇のトーマスハーズは、顔からは想像できませんが、自信が無い選手だったようです。元々、才能はあったので、スタッフ陣は、マッチメークで弱い選手と対戦させ、勝つ経験を重ねることで自信を付け、超一流の王者になったということを本で読んだ記憶があります。

話は飛びますが、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第19話「果たせぬ凱旋」のラストシーンの件。

史実では、源義経、北条時政、北条義時の3人による会話はないと思いますが、自信喪失の義経に向けた時政の言葉、「あなたは仰った。経験もないのに自信もなかったら、何もできぬと。では、自信をつけるには何が要るか。経験でござるよ。まだまだこれからじゃ」は、私自身には、心に刺さりました。

自信と経験は切っても切り離せない、関係なのでしょう。

ただし、メンタルトレーニングでは、結果は重要視はしないようです。プレイの良し悪しや勝ち負けの結果を意識した場合(強気と弱気の交互作用)、心のブレ(弱気の虫、自身の無さやメンタルの弱さ)に繋がると考えるようです。

プロセスによる自信

メンタルトレーニングでは、結果よりもプロセスを重要視し、結果よりも選手の努力やプロセスを褒めることを優先しています。

ペップトーク(やる気が出る気持ちが乗るような一言)は、有効な方法の一つと考えられます。

プロセスによる自信は、結果に左右されにくく、安定した自信に繋がるというメリットがあります。

自信のある選手の特徴

自信のある選手の特徴として、以下が挙げられます。

  • 目標が明確
  • 成功イメージを持つ
  • 計画力とその実行力

目標に向かって、黙々と前進する人は、精神的に強いのでしょう。

自信を付ける具体的な方法~自信があるふりをする

自信を付けるために自身ができることは、自信がある振りをすることです(実は自信が無くとも)。このことは科学的にも実証されているようです。

「練習や努力で自信を付ける」、言い換えると、反復や積み重ねで技術や思考を鍛錬し、「無意識・自動化・自然」なプレイや行動を身に着けることで、自信が深まっていくんだと思います。

日本人は嫌いますが、「ビッグマウス」も効果的なのでしょう。この中にはポジティブ思考やセルフトークも含まれていると思います。

また、フィジカル的には、姿勢は重要だと考えられます(メンタルトレーニングでも重要視されています)。姿勢が良い人は、堂々としており、自信が伺えます。

オードーリーの春日は、まさにこのタイプでしょうか(^^♪

また、「ポーカーフェイス」も自身の表れです。メンタルトレーニングを積んだ選手は、マイナス思考(プラス思考も)を隠すことができ、これが余裕のある自信のある行動や態度となり、相手にはプレッシャーを与える効果があるようです。

まとめ

  • 自信とは、ゾーンに入った集中した状態
  • 結果による自信
  • プロセスによる自信
  • 自信のある人の特徴
  • 自信のある振りをする(トレーニング)
  • ビッグマウスやポーカーフェイスの重要性

最後に、個人的には、結果による自信は必要と感じています。成功体験は確実に自信を付けることになると考えます。

スケールダウンしてしまいますが、私自身のゴルフはまさにそれ。簡単なコースやあえて短いティ(フロントティ)を使用し、スコアを出す経験を作っていき、自信を付けていきました。ただし、それなりに練習(努力)はしているので、それが自信に使がっているのは間違いありません。

「練習や努力をして、結果を出す」のが最高ですね!

 

高妻教授の著書はたくさんありますが、興味がある方は、まずは基礎の1冊を手に取り第一歩としましょう。

・JATI EXPRESS Vol54, 55 競技力向上のためのメンタルトレーニング@高妻容一
・スポーツメンタルトレーニング基礎編(NHK学園)資料@高妻容一

・写真(フリー画像)

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