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【生理学】ランニングにおける消費エネルギー(カロリー)の計算方法

運動における消費は、強度、時間、体重等により決定します。下記の式からある程度の消費エネルギーは推測できすが、正確な数値は出すことはできません。あくまでも目安として捉えておく必要があります。

消費エネルギー(カロリー)の計算式

代表的な消費エネルギーの求め方として、今回はランニングにおける消費エネルギーを中心に3つ紹介します。

  1. 1日の必要(消費)エネルギー量 = 基礎代謝 x 活動代謝 x 食事誘発性熱産生(DIT)
  2. METから計算する消費エネルギー = (XMETS(Xは数字) - 1(MET)) x 体重(kg) x 時間(h) x 1.05(係数)
  3. ランニングにおける消費エネルギー = 体重(kg) x 距離(km) x 1.0(ランニング係数)

最もスタンダードな基礎代謝から求める計算法

まず、押さえておきたい消費に関する計算方法は、基礎代謝から求めるものです。最も学術的な計算法といっていいでしょう。前に記事にしているので、今回は割愛します(下記、記事を参照ししてください)。

(1日の)消費エネルギー量 = 基礎代謝 x 活動代謝 x 食事誘発性熱産生(DIT・食事代謝)

基礎代謝・活動代謝・DITに関してはこちらを参照してください。

METSから計算する方法

次は、METSを用いた計算方法です。これもトレーナーであれば、押さえておきたいところです。

METから計算する消費エネルギー = (XMETS(Xは数字) - 1(MET)) x 体重(kg) x 時間(h) x 1.05(係数)

METSとは、「Metabolic Equivalent」の略で、直訳すると「代謝当量」となります。運動時の全消費エネルギーが安静時の何倍に当たるかを示し、以下の式で求められます。

METS = 運動時の酸素消費量 ÷ 安静時の酸素消費量

安静時の酸素消費量を1METとし、3.5ml/kg/minに当たります。安静時には、体重1kg当たり1分間に3.5mlの酸素を消費をするということになります。

ランにおけるMETSをいくつか挙げておくので参考にしてください。ただし、METSの数字は団体やテキストにより若干異なります。個人差(上級者は運動効率が高いので、同強度の場合、METSは低くなる)もあるのでザックリ押さえておけばいいでしょう。METSはすべて暗記する必要は無く、必要に応じて調べてから使用してもいいと思います。

表. ランニングにおける主要METS

METSkm/h分/kmマラソン
98.47:00サブ5+
109.76:15
1110.85:40サブ4
11.511.35:20
12.512.15:00サブ3.5
13.512.94:40
1413.74:20
1514.54:10サブ3
1616.13:45
1817.53:30サブ2.5

参考:NSCA パーソナルトレーナーのための基礎知識第2版

改めて、下記の式を考えていきましょう。

METから計算する消費エネルギー = (XMETS(Xは数字) - 1(MET)) x 体重(kg) x 時間(h) x 1.05(係数)

METSから1を引いているのは、安静時の消費を引いているということです(あくまでも運動時の消費なので)。ただし、数字に大きな差が出ないので、引かないで計算しても大丈夫です。実際、1を引いていないテキストも見られます。

また、係数の1.05を1として計算しても問題ありません。むしろ1とした方がいいと思います。数字に大差は出ないし、計算も楽です。

ランニングにおける簡易消費エネルギー計算方法

ランニングマガジンクリール等ランニング雑誌には、簡易計算法が掲載されています。

これは、お勧めです。繰り返しになりますが、消費や摂取エネルギー(カロリー)は、正確には計算できません。ある程度大雑把でいいのが消費や摂取エネルギー(カロリー)です(あくまでも推定値)。よって、簡易に計算できるのであれば越したことはないのです。

ランニングにおける消費エネルギー = 体重(kg) x 距離(km) x 1.0(ランニング係数)

時間を必要とするテキストも見られますが、これも大差が無いので、考慮しなくてもいいというのが大方の考え方です。実際、私は冬場のランニング重視期は、この簡易式を用いて大体の減量値を計算します。

ちなみに、ウォーキングの場合は、係数を0.5にして計算します。同じ距離ならランニングの約半分の消費になるということです。

心肺はきつくなく、継続できるということであれば、最強レベルですが、効率からするとランニングには劣ります(同じ距離なら半分の消費。逆から見ると、同じ消費をするには倍の時間がかかるということです)。動ける人なら、走った方がいいかもしれませんね。

ただし、約70%の人が3か月で挫折するといわれるランニング。そのことを考えれば、ウォーキングを継続するのがお勧めです!

ウォーキングにおける消費エネルギー = 体重(kg) x 距離(km) x 0.5(ウォーキング係数)

計算例~私の場合(85kg, 平均走行距離100km/月)

実際に計算してみましょう。

私自身は、例年12月から3月(走り始めるのは9月から)までをランニング重視期とし、3月中旬にマラソンまたはハーフマラソンを走ることを目的としています。

12月上旬の体重は85kg辺り。月に最低100kmは走るので、100km/月で計算しましょう。

10kmを約1時間で走り、月に10回走ることになります。

計算① METSによる計算

私の平均走行速度は、10km/h(6:00/km)付近なので、約10METSとなります。

METSにより消費エネルギーは、

(XMETS(Xは数字) - 1(MET)) x 体重(kg) x 時間(h) x 1.05(係数)

なので、

(9-1)METS x 85(kg) x 1(h) x 1.05 = 714Kcal(さらに簡単にすれば、8 x 85 x 1 x 1 = 680kcal), 場合によっては、9 x 85 = 765kcal)

月に10回走るので、その10倍で、

6,800~7,650kcal, 大体7,000~7,500kcalとしてもいいでしょう。

計算② ランニング簡易計算式

ランニング簡易計算式(距離(km) x 体重(kg) x 1(係数))を用いれば、より簡単で1回辺り

10km x 85kg x 1 = 850kcal

10回走ればその10倍となり、8,500kcalとなります。

減量効果は?

体脂肪1kgを燃焼するには、約7,200kcalと言われています。

月に7,000~8,500kcal消費するとなると、単純計算で

0.97kg~1.18kgの体脂肪燃焼となります。これがそのまま使用できるわけではないですが、ざっと月に1kgの体重減が見込めます。

実際、私はこの時期は1~1.5kg/月の体重減で、シーズンが終わるころには80kg程度まで体重が絞れるので、あながち間違った計算ではないかと思います。

ランニング期に食事制限は行っていません。むしろ、増やしています。

参考になれば、幸いです。

追加事項:単位の重要性

計算において単位は重要です。物理や数学が苦手な人は大抵単位を理解していません。当たり前のことですが、単位には意味があり、計算するときに単位を合わせないととんでもない数字が出ることになります。

簡単なところでは、

  • 1時間なのか、1分なのか、1秒なのか?
  • 1kmなのか、1mなのか、1cmなのか?
  • 1kgなのか、1gなのか?
  • 1Lなのか、1MLなのか?

折を見て単位についてもまとめたいと思います。


参考文献
・運動処方入門@池上晴夫
・パーソナルトレーナーのための基礎知識第2版@NSCA ジャパン
・ストレングス&コンディショニングⅠ@NSCA ジャパン
・筋トレまるわかり大辞典@谷本道哉
・栄養の基本がわかる図解事典@中村丁次
・スポーツ栄養学@鈴木志保子

・イラストは、イラストACから

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