有酸素系のメイントピックである呼吸・循環器系。その中でも知識上必須となるのが循環器では「循環のメカニズム」、そして呼吸器では「ガス交換」となります。
今回はそのまとめです。
循環器の構成に関する記事はこちら
呼吸器の構成に関する記事はこちら
体(全身・大)循環と肺(小)循環
出典:wikipedia
以下は、循環で押さえておかなければならない器官や組織です。
- 右心房
- 右心室
- 左心房
- 左心室
- 肺動脈
- 大動脈
- 肺(肺胞)
- 三尖弁
- 僧帽弁(二尖弁)
- 肺動脈弁
- 大動脈弁
- 各細胞・組織・器官
右心房
右心房は、(大)静脈から運ばれてきた「二酸化炭素と老廃物」を含む血液を受け取る部屋です。
右心室と三尖弁・肺動脈弁
右心室は、右心房に入っていた血液をそのまま受け取り、その血液を肺動脈に送ります。
右心房と右心室の連結点に「三尖弁」が、また右心室と肺動脈の連結点に「肺動脈弁」が付いており、血液の逆流を防いでいます。
肺動脈
動脈でありながら、二酸化炭素と老廃物を含んでいます(静脈血)。その血液を肺に送り込みます。
肺と肺胞
肺動脈から送り込まれた血液(静脈血)は、肺の中に入り気道の先端である肺胞でガス交換(外呼吸)します。ガス交換した酸素を含んだ血液(動脈血)を肺静脈に送ります。
肺静脈
静脈でありながら、酸素を含んでいます(動脈血)。その血液を左心房に送り込みます。
左心房
肺静脈から酸素を含んだ血液を受け取ります。
左心室と僧帽弁・大動脈弁
左心室は、左心房に入っていた血液をそのまま受け取り、その血液を大動脈に送ります。
左心房と左心室の連結点に「僧帽(二尖)弁」が、また左心室と大動脈の連結点に「大動脈弁」が付いており、血液の逆流を防いでいます。
大動脈と各組織・細胞
大動脈から枝分かれして、肺以外の器官・組織・細胞に酸素を送り込みます。各組織で行われるガス交換が内呼吸です。
そして毛細血管、細静脈、小静脈、中静脈を介し、最終的に大静脈に集まった静脈血を右心房に戻します。
体循環と肺循環
この一連の流れが循環で、左心室から右心房までの循環を体循環といいます。また、右心室から左心房までの循環を肺循環と言います。
体循環は、肺以外の器官すべてに循環するので全身循環または大循環とも言います。肺循環は読んで字のごとく肺を循環する経路です。小循環とも言います。
(大)静脈→右心房→(三尖弁)→右心室→(肺動脈弁)→肺動脈→肺(肺胞による外呼吸)→肺静脈→左心房→(僧帽・二尖弁)→左心室→(大動脈弁)→(大)動脈→各組織(各組織による内呼吸)→(大)静脈
赤マーカーは「酸素を含んだ動脈血」を、また青マーカーは「二酸化炭素を含んだ静脈血」を表します。
ガス交換(外呼吸と内呼吸)
以下は、呼吸・ガス交換の専門用語です。
- 肺胞
- 各組織(細胞)
- 毛細血管
- 外呼吸
- 内呼吸
外呼吸
出典:生理学の基本@マイナビ
*青は肺動脈の毛細血管、赤は肺静脈の毛細血管、青粒は二酸化炭素、赤粒は酸素です。酸素はヘモグロビン(図の毛細血管内の赤い凹みのある円形状のもの)に乗っかり移動します。
外呼吸は、肺胞にて行われる外気から摂取した酸素と代謝産物である二酸化炭素とのガス交換です。一般的に呼吸と自覚できるもので、酸素摂取です。
肺胞は気道の最終点で風船状です。その周りは(肺動静脈の)毛細血管で覆われています。両者は非常に薄いので酸素と二酸化炭素の行き来きができます。これがガス交換(外呼吸)です。
内呼吸
各組織・細胞間で行われるガス交換で、酸素を各細胞に送り込みます。外呼吸と違い自覚することはできません。酸素消費と考えられます。
出典:Wikimedia Commons
まとめ~専門用語集(和名・英名)
循環器の専門用語(和名・英名)のまとめです。必要に応じて増やしていきます。
循環器系 | circular system |
心臓血管器系 | cardiovascular system |
心臓 | heart |
心房 | atrium |
心室 | ventricle |
肺(の) | lung, pulmonary |
肺胞 | alveolar |
肺動脈 | pulmonary artery |
肺静脈 | pulmonary vein |
毛細血管 | capillary |
弁 | valve |
三尖弁 | tricuspid valve |
僧帽(二尖)弁 | mitral(bicuspid) |
房室弁 | atrioventricular valves |
大動脈弁 | aortic valve |
肺動脈弁 | pulmonary valve |
半月弁 | semilunar valves |
引用・参考
・ストレングストレーニング&コンディショニング第4版@NSCA Japan
・Essentials of Strength Training & Conditioning second edition@NSCA
・ストレングス&コンディショニングⅠ(理論編)@NSCA Japan
・トレーニング用語辞典@ウィダー
・生理学の基本@中島雅美(監修)
・生理学の基本がわかる事典@石川隆(監修)
・解剖生理学@志村ら