機能解剖学

【機能解剖学・腹筋群】どこまでを腹筋群と捉えるか?3層 or 4層?

2020年6月18日

前回までに脊柱・骨盤を構成する骨についてまとめました。今回からいよいよ筋肉の話に入ります。

まずは、「機能解剖学の基礎」を押さえてください。

腹筋群の分類

ここでは、腹筋群を以下の6種類に分類します。

  • 腹直筋
  • 外腹斜筋
  • 内腹斜筋
  • 腰方形筋
  • 腹横筋
  • 腸腰筋

この6種類の腹筋群を解剖学的分類(アウターマッスル・インナーマッスル)と機能的分類(モビリティマッスル・スタビリティマッスル)に分けて考えましょう。

筋肉の分類に関する記述はこちらを参照してください。

解剖学的分類~腹筋群は3層または4層

腹筋群は、通常3層として考えます。

第1層:腹直筋(赤)および外腹斜筋(青)

第2層:内腹斜筋(黄緑)

第3層:腹横筋(黄)

**腰方形筋(ピンク)・腸腰筋(橙)・背筋群(水色)

ここから、アウターマッスルは腹直筋と外腹斜筋となり、2層以下の筋肉はインナーマッスルとなります。

アウターマッスル

 acworksさんによる写真ACからの写真

  • 腹直筋:一般的に腹筋と言うとこの腹直筋を指します。
  • 外腹斜筋:内腹斜筋とともに回旋運動を担います。

ボディメイク系の方々は、ここを重点的に鍛えるわけですね。

インナーマッスル

インナーマッスルは、あくまでも深層(表面・層では無い)で触診ができない筋群です。ここでは機能は考慮しません。コアと言うと、腹筋群のインナーマッスル(腹横筋)と考える人も多くいますが、それだけではありません(コアについての記事はこちら)。今回はあくまでも分類のみです(^^♪

  • 内腹斜筋
  • 腹横筋
  • 腰方形筋
  • 腸腰筋

腹筋群の階層についての補足説明はこちら

腰方形筋と腸腰筋の位置づけ

腸腰筋は、本来、股関節屈曲筋として捉えますが、石井直方先生は著書「トレーニングメソッド」(** 個人的にはかなりお薦めの本です)で、上記三層からなる腹筋群を「浅部腹筋群」とし、腸腰筋を「深部腹筋群」として分類してしているのでここでも挙げておきます(4層となりますか、、、)。

腰方形筋は、そもそも腹筋群なのかと言う問題もあるが、解剖学的には「インナーマッスル」であることには間違いありません。

機能による分類~モビリティマッスルとスタビリティマッスル

モビリティマッスルとスタビリティマッスルに分けます。すべての筋肉にスタビリティの役割もありますが、関節を動かすことがメインになる以下の筋肉はモビリティマッスルとなります(腹横筋以外)。メイン機能のみ表記します。

  • 腹直筋(腰椎屈曲)
  • 外腹斜筋(胸椎回旋)
  • 内腹斜筋(胸椎回旋)
  • 腰方形筋(腰椎側屈)
  • 腸腰筋(股関節屈曲)

Stability Muscleとしては、腹横筋を押さえておけばいいでしょう。単独というより、多裂筋や骨盤底筋群と共に考えた方がいいかもしれません。

まとめ

筋肉名英語
腹直筋rectus abdominis muscle(rectus→直, abdomen→腹部)
外腹斜筋abdominal external oblique muscle(ex-外, oblique→斜め)
内腹斜筋abdominal internal oblique muscle(in-内)
腹横筋transversus abbominis muscle(transverse→横)
腰方形筋quadratus lumborum muscle(quad→四→方形), lumber→腰椎
腸腰筋iliopsoas muscle(ilio-腸骨, psoas→腰筋)

引用:筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典@荒川裕志

今回は、分類のみですが、次回以降、細かく考えていきたいと思います。

参考・引用
・身体運動の機能解剖改訂版@Thomson/Floyd
・筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典@荒川裕志
・トレーニングメソッド@石井直方

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