メラトニンは、睡眠ホルモンとして重要であることは周知のとおり。睡眠時に脳内にメラトニンが多く分泌されていれば、質の良い睡眠がとれると考えていいでしょう。メラトニンの前駆体は、セロトニン、さらにEAAの一つトリプトファンとなる。今回は、メラトニン、セロトニン、トリプトファンと睡眠効果について検証・整理をしたい。
セロトニンの分泌させる3つの方法
前のブログにも書いたように、セロトニンの分泌方法は3つ
- 日光浴
- リズミカルな運動
- トリプトファン摂取
となる。
トリプトファンはEAAであるからアミノ酸スコアの高い(できれば100)食品(肉、魚等)を摂る必要がある。
ホットミルクの睡眠効果
就寝前(1~2時間前)のホットミルクが睡眠には良いと聞くことがある。ホットミルクが良いとされる理由は以下の2つ
- 深部体温を下げる
- トリプトファンが多く含まれている
睡眠時は体温が少し低いので、体温を低い状態にすれば眠りやすいということになる。ホットミルクを飲むことで一旦体温を上げると、身体は逆に体温を下げようとする働きが亢進する。この生理的作用を利用することには異論は無いが、通常は風呂に入ればその作用があると考えると必須ではないと思われる(風呂は外部から、ホットミルクは内部から)。
体温に限れば、何もホットミルクで無くとも良いわけであるが、ホットミルクとする理由は、トリプトファンが多く含まれているからである。
トリプトファンは最終的にメラトニンに変換されるので、睡眠にプラスに働くことは間違いないが、直接メラトニンになるのではなく、まずセロトニンに変換される。セロトニンからメラトニンに変換されるの約15時間を要することを考えると、トリプトファンからは更に時間を要することになるので、寝る前のホットミルクは特にプラスになることは無いはずである。むしろ、肝臓代謝であるトリプトファンはマイナスになるかもしれない。
トリプトファンは寝る前ではなく、むしろ朝食や昼食でしっかり摂取するべきで、さらに朝、日光浴と散歩(通勤程度でも効果はある、散歩には日光浴とリズミカルな運動の要素がある)、および高タンパク質の食事をとれば、質の良い睡眠になる可能性は高い。
睡眠の質を下げる3つの行為
むしろ、睡眠の質を上げるのは、質の下げる行為をしなければ良い。これも多く言われているが、夜間、特に寝る直前に、以下の行為は、交感神経を刺激するため、睡眠の質を下げることになる。
- メールやパソコン
- カフェイン摂取(ブラックコーヒー、緑茶等)
- 高強度トレーニング(特にスクワット、デッドリフト、ランニング等)
実は私は上記3つとも当てはまっている。
最近は夜中にウエイトトレーニングやランニングすることも多い。コーヒーもミルク入り(砂糖無)ではあるが、結構飲む。メールやパソコン、テレビも見ている。慣れというのは、すごいもので、昔はスクワット後はなかなか寝付けなかったが、今はさほど影響はない。コーヒーもしかり。しかし、寝つけてはいるものの、もしかしたら睡眠の質は下げているのかもしれない。やはり十分に気をつけなければならないだろう。
引用・参考
・スポーツ栄養学@鈴木志保子
・筋肉をつくる食事・栄養パーフェクト事典@岡田隆, 竹並恵里
・栄養の基本がわかる図解事典@中村丁次(監修)
・トレーニングマガジン34 ワークアウト宣言アスリートに学べ(睡眠テク)@桑原弘樹
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