【フリーウエイト】ベンチプレスのグリップにおける手関節背屈

ウエイトトレーニング全般

ベンチプレスの際、傷害予防の観点からも、手首を背屈させないようにグリップすることは常識ではありますが、改めてまとめてみたいと思います。

ベンチプレスにおけるグリップについて

ストレングス関連著名者の著書より以下引用

有賀誠司教授の見解

筋トレエクササイズ事典で、「手首の正しいポジションとして、手首の角度はまっすぐ、またはやや反る程度が目安」と書かれています。また、「親指を内側に向けて、バーが手のひらを斜めに横切るように保持する。この方法を用いると、バーを前腕の真上に乗せることができ、手首への負担が軽減しやすくなる。」と述べ、手首の反り(過背屈)は危険なグリップとしています。

 

私は、フリーウエイトの基礎は有賀教授から学んだので、その教えをスタンダードと捉えています。

山本義徳氏の見解

ウエイトトレーニング実践編で、「バーを持つときに、手首が寝てしまっていることが原因で手首を傷つける。できるだけバーを深く握り、手首に近い位置に収めるようにすると、手首を立てやすい。」と書かれています。

荒川裕志氏の見解

世界一使える筋トレ完全ガイドで、「前腕の延長線上に乗せる。バーは前腕の延長線上で持つ。手首が返ってバーが前腕の延長線上から外れると手首のケガにもつながるので注意する。」と書かれています。

吉田進氏の見解

続パワーリフティング入門で、「バーを乗せる位置を手のひらの極力手首に近い方にする。指に近いほうで持つと手首を曲げる大きな力が働き、手首が痛くなる。手首を立てるようにして持つのが、手首に負担の少ない持ち方である。」と書かれています。なお、競技ベンチプレスとしては、この方法では距離が長くなるので、グリップをつぶす方法を紹介しているが、これは別問題としてここでは割愛します。

東阪康司・児玉大紀氏の見解

ベンチプレスの神様・児玉大紀氏監修の「ベンチプレス基礎から実践」では、「間違った方法で最も多いのが、バーと手のひらをまっすぐになるような握り方。この握り方は挙上時に手首が反ることが多くなり、手首を怪我する可能性が高い。正しくは手首の延長線上にあたる部分にバーを乗せるような握り方となる。手首が若干斜めを向くことになるのですが、手首が反ることが少なくなり、手首を怪我する可能性を減らすことができる。」と書かれています。

まとめ

以上より、傷害予防の観点から手首の背屈はできる限り避けて、前腕の延長線上にバーを置く(手首を立てる)のが統一見解と考えていいと思います。

なお、NSCA(CSCS)第4版では、「手首は固定し、前腕は床と垂直に、両腕を平行に保つ」とだけあり、上記の見解とほぼ同じと捉えていいでしょう。

それでも、高重量時には若干の背屈は出てしまうものです。その場合は、リストラップを使用することも考慮に入れてみるといいかもしれません。

サムレスグリップについて

手首の問題だけを考えればサムレスグリップが有効であるという意見があります。有賀教授は同著書で「バーを前腕の骨に上に乗せやすく、手首に過度な負担がかかりにくい。動作中に、手のひらの中でバーの位置を微妙に調整できるメリットもある。バーが滑り落ちないように注意する。」を書かれていますが、最後の一文の書かれているように、バーの滑り落ちのリスクは避けられません。バーの落下は手首の傷害では治まらず、命の危険があるので多くの人が言うように積極的には薦められるものではありません。なお、パワーリフティング(競技)では、サムレスグリップは禁止されています。

その他のエクササイズに関して

その他のプレス種目(ショルダープレス、ダンベルベンチプレス等)でも、バーベルベンチプレスのグリップと同じ握り方になるでしょう。プルやロウの上背部のエクササイズは特に手首に負担は掛からりません。

プッシュアップやディップスは、素晴らしい自重エクササイズですが、手首の背屈が出るのが唯一の欠点かもしれないですね。手首の傷害予防を考慮するのであれば、プッシュアップバーを使用したり、拳立てを使用するのも一考です。

プレス種目では、グリップを立てることが重要視され、背屈は避けるように指導することになりますが、なぜかフロントスクワットやパワークリーンにおいては、あまり論じらません。肩(鎖骨)で支えるとはいえ、プレス種目以上の重量を扱う種目です。もう少し慎重になってもいいのではないでしょうか。

参考:クリーンのキャッチについて

引用・参考
・筋トレエクササイズ事典@有賀誠司
・ウエイトトレーニング実践編@山本義徳
・世界一使える筋トレ完全ガイド@荒川裕志
・続パワーリフティング入門@吉田進
・ベンチプレス基礎から実践@東坂康司, 児玉大紀

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