解剖生理学・運動学

【生理学】造血のプロセス②白血球の種類と特徴

血液は、血球成分と血漿から成りますが、血漿はほぼ水分なので、血液は血球成分(赤血球、白血球、血小板)から成り立っていると考えていいと思います。

そして、血球成分は、(赤色)骨髄で作り出されます。

少し前に造血プロセスに関するまとめを行い、1記事目は赤血球と血小板についてをまとめました。今回は、白血球について整理しましょう。

赤血球と血小板についての記事はこちらを参照してください。

造血についてのまとめ

前回の記事にも記載しましたが、基本のおさらいをしましょう。

出典:生理学の基本

骨髄には、血球成分の基になる造血幹細胞があり、それが分化して各血球成分になります。

造血幹細胞は、刺激を受けると以下の2つに分化します。

  1. 骨髄系幹細胞
  2. リンパ系幹細胞

骨髄系幹細胞は、赤血球・白血球・血小板を作り出し、リンパ系幹細胞は、白血球のリンパ球のみを作り出します

白血球は5種類(骨髄系幹細胞からの4種類とリンパ系幹細胞から産生するリンパ球)

免疫を担う白血球は、6,000~8,000個/L 存在し、大きく5種類あります。

  1. 好中球
  2. 好酸球
  3. 好塩基球
  4. 単球
  5. リンパ球

好中球

好中球は、骨髄系幹細胞→顆粒球形幹細胞→骨髄球→後骨髄球を経て作成されます。

好中球は、最も数が多く白血球の60~70%を占めます。

最大の特徴は、「非特異的生体防御」としてすべての外敵に対し、攻撃(貪食作用)し、自らも死んでいきます。好中球の死骸が、「」です。

好酸球と好塩基球

好塩基球および好酸球は、骨髄芽球から直接作成されます。数は少なく、それぞれ1%および2%程度です。

用途もよくわかっていないことが多いですが、アレルギー反応や炎症反応に関係しているようです。

単球とマクロファージ

単球は、白血球の約5%で、骨髄系幹細胞→顆粒球形幹細胞→単芽球の経路を取り、その後マクロファージに変化します。

マクロファージは、以下の2つ重要な役割を持っています。

  • 好中球より強力な貪食作用
  • 抗原提示細胞

抗原提示細胞とは、新たな抗原(外敵)の情報を「ヘルパーTリンパ球」に渡す細胞ということです。

リンパ球(TリンパとBリンパ)

リンパ球は、リンパ系幹細胞からリンパ芽球を経て

  • 前Bリンパ球→Bリンパ球
  • 前Tリンパ球→Tリンパ球

に分化されます。それぞれが血管内でBリンパ球とTリンパ球に変化します。なお、前Tリンパ球は胸腺で成熟してからTリンパ球になります。

リンパ球は、全体の約30%程度で、免疫機能の中心です。

次回は、この免疫システムについて整理しましょう。

まとめ

白血球は以下の5種類

  • 好中球
  • 好酸球
  • 好塩基球
  • 単球
  • リンパ球

骨髄系幹細胞→顆粒球形幹細胞→骨髄球→後骨髄球→好球

骨髄系幹細胞→顆粒球形幹細胞→好酸球および好塩基球

骨髄系幹細胞→顆粒球形幹細胞→単芽球→単球→マクロファージ

リンパ系幹細胞→リンパ芽球→前Tリンパ球→Tリンパ球

リンパ系幹細胞→リンパ芽球→前Bリンパ球→Bリンパ球

引用・参考
・生理学の基本@中島雅美(監修)
・生理学の基本がわかる事典@石川隆
・免疫学の基本がわかる事典@鈴木隆二
・解剖生理学@志村ら

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