現在、ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチやパーソナルトレーナーに対して、国家資格は無いので、誰でもいつでも名乗ることができます。とはいえ、民間資格は多数存在しており、最も権威があり人気もあるのが、NSCAのCSCSでしょう。
個人的には、学生や若手またはキャリアチェンジでS&Cコーチを目指すのであれば、取得しておくことに越したことはない資格だと思っています。
この資格が全てでは無いですが、最低限のステータスにはなり、中堅、ベテラントレーナーからも知識的には最低限はあると見込まれる、、、、はずです(少なくとも私は)。繰り返しになりますが、絶対的または万能な資格では決してありません。
NSCAとは、
NSCAは、ストレングス&コンディショニング(S&C)の教育団体として1978年に設立され、1985年からS&C資格である「CSCS」が、1993年からパーソナルトレーナー資格の「NSCA-CPT」が発行されています。
記憶が正しければ1999年から日本語での受験が可能になったはずです。それ以前から日本でも英語受験はできたと記憶しています(年1回)。
「CSCS」には冠に「NSCA-」はつきません。「CSCS」を冠する資格は存在しない、もしくは最初がNSCAということだと思います。
ちなみにCPTには「NSCA-」 が付きます。先にCPTの承認をとった団体があるからだと思われます。それがどこかは私は知りません。
CSCSとは、
CSCSは「Certified Strength & Conditioning Specialit」の頭文字をとった略語で、有資格のS&Cスペシャリストということになるでしょうか。
CSCSのコンセプトは、「傷害予防とスポーツパフォーマンス向上を目的とした、安全で効果的なトレーニングプログラムを計画・実行する知識と技能を有する人材を認定する資格です。
指導対象は主にアスリート、スポーツチームです。筋力トレーニングや他の体力要素の指導だけでなく、施設を運営、管理することも重要な職務となります。また、栄養、ドーピング、生活習慣に関する指導など、教育者的側面も併せ持っています。」と書かれています(NSCA JAPAN HP)。同HPには、「ストレングスコーチ、アスレティックトレーナー、パーソナルトレーナー、医師、フィットネスインストラクター、研究者などがCSCSの資格を取得しています。」とあります。
受験条件は、学位(学士・修士・博士)取得者または高度専門士の称号保持者かつ指定CPR/AED資格認定者であり、NSCA-CPTよりはハードルが高いです(NSCAジャパン会員は前提)。
傾向と対策
CSCSは、NSCA-CPTとは違い2セクションの受験で、2セクション合格でCSCS取得となります。1セクションのみ合格した場合は、再受験に90日は開けなければなりませんが、不合格のセクションのみの受験となります。
2セクションとは、以下の2つです。
- 基礎科学セクション
- 実践/応用セクション
基礎科学セクション
基礎科学セクションの問題数は、合計80問ですが、ノンスコア問題が15問あるので、95問で評価されます。おそらく56問正解(70%)であれば合格すると考えられます。
制限時間は90分です。1問あたり60秒ほどかけられるので、慌てずに臨んでください(瞬殺問題も多いです)。
基礎科学セクションは、以下の4分野に細分類され、各配分は表のとおりです。
- エクササイズサイエンス
- スポーツ心理学
- 栄養学
- ノンスコアード問題
分野 | 問題配分 | 問題数 |
エクササイズサイエンス | 55% | 44 |
スポーツ心理学 | 24% | 19 |
栄養学 | 21% | 17 |
ノンスコアード問題 | ― | 15 |
合計 | 100% | 95 |
出典:NSCA JAPAN HP
実践/応用セクション
実践/応用セクションの問題数は、合計110問ですが、ノンスコア問題が15問あるので、125問で評価されます。おそらく84問正解(76%)であれば合格すると考えられます。やや基礎科学セクションより厳しい評価となっているようです。
125問中30~40題ほどビデオ問題がありますが、制限時間は2時間30分なので(70秒/問ほど)、よほどのことがない限り時間が足りないということは無いと思います。足りなかった人は、わからないまたは迷った問題に悩みすぎて時間を無駄に消費していると推測します。
ビデオ問題のほとんどは、エクササイズテクニックからの出題です(次いでプログラムデザイン)。
とにかく、まずは全問目を通すこと、これは重要で、わからない問題または迷った問題はすぐに飛ばすこと!瞬殺問題も多いので、とにかく全問解答することは必須条件となります!
実践/応用セクションは、以下の5分野に細分類され、各配分は表のとおりです。
- エクササイズテクニック
- プログラムデザイン
- 組織と運営
- テストと評価
- ノンスコアード問題
分野 | 問題配分 | 問題数 |
エクササイズテクニック | 36% | 40 |
プログラムデザイン | 35% | 38 |
組織と運営 | 11% | 12 |
テストと評価 | 18% | 20 |
ノンスコアード問題 | ― | 15 |
合計 | 100% | 125 |
出典:NSCA JAPAN HP
試験概要と受験料
2016年以降コンピュータベース試験への変更に伴い、解答が三択になり合格率は上がったと思われます。NSCA JAPANのHPには合格率55.1%(2022年)とあるので、決して難しいものではありません(NSCA-CPTよりは低い。82.3%)。
受験料は、50,200円(税込)(1セッションの再受験は34,000円)と安くはないので、確実に一回で合格する必要があるでしょう。
出典:NSCA JAPAN HP
次回から、各セクションおよび各分野の詳細を解説したいと思います。
NSCA-CPT受験対策についての概要はこちらの記事を参照して下さい。
フィジックスコンディショニングジム
より詳細を知りたければフィジックスコンディショニングジムの超入門セミナーをご検討ください。