血液は、血球成分と血漿から成りますが、血漿はほぼ水分なので、血液は血球成分(赤血球、白血球、血小板)から成り立っていると考えていいと思います。
そして、血球成分は、(赤色)骨髄で作り出されます。
少し前に造血プロセスに関するまとめを行い、1記事目は赤血球と血小板についてをまとめました。今回は、白血球について整理しましょう。
造血についてのまとめ
前回の記事にも記載しましたが、基本のおさらいをしましょう。
出典:生理学の基本
骨髄には、血球成分の基になる造血幹細胞があり、それが分化して各血球成分になります。
造血幹細胞は、刺激を受けると以下の2つに分化します。
- 骨髄系幹細胞
- リンパ系幹細胞
骨髄系幹細胞は、赤血球・白血球・血小板を作り出し、リンパ系幹細胞は、白血球のリンパ球のみを作り出します。
白血球は5種類(骨髄系幹細胞からの4種類とリンパ系幹細胞から産生するリンパ球)
免疫を担う白血球は、6,000~8,000個/L 存在し、大きく5種類あります。
- 好中球
- 好酸球
- 好塩基球
- 単球
- リンパ球
好中球
好中球は、骨髄系幹細胞→顆粒球形幹細胞→骨髄球→後骨髄球を経て作成されます。
好中球は、最も数が多く白血球の60~70%を占めます。
最大の特徴は、「非特異的生体防御」としてすべての外敵に対し、攻撃(貪食作用)し、自らも死んでいきます。好中球の死骸が、「膿」です。
好酸球と好塩基球
好塩基球および好酸球は、骨髄芽球から直接作成されます。数は少なく、それぞれ1%および2%程度です。
用途もよくわかっていないことが多いですが、アレルギー反応や炎症反応に関係しているようです。
単球とマクロファージ
単球は、白血球の約5%で、骨髄系幹細胞→顆粒球形幹細胞→単芽球の経路を取り、その後マクロファージに変化します。
マクロファージは、以下の2つ重要な役割を持っています。
- 好中球より強力な貪食作用
- 抗原提示細胞
抗原提示細胞とは、新たな抗原(外敵)の情報を「ヘルパーTリンパ球」に渡す細胞ということです。
リンパ球(TリンパとBリンパ)
リンパ球は、リンパ系幹細胞からリンパ芽球を経て、
- 前Bリンパ球→Bリンパ球
- 前Tリンパ球→Tリンパ球
に分化されます。それぞれが血管内でBリンパ球とTリンパ球に変化します。なお、前Tリンパ球は胸腺で成熟してからTリンパ球になります。
リンパ球は、全体の約30%程度で、免疫機能の中心です。
次回は、この免疫システムについて整理しましょう。
まとめ
白血球は以下の5種類
- 好中球
- 好酸球
- 好塩基球
- 単球
- リンパ球
骨髄系幹細胞→顆粒球形幹細胞→骨髄球→後骨髄球→好球
骨髄系幹細胞→顆粒球形幹細胞→好酸球および好塩基球
骨髄系幹細胞→顆粒球形幹細胞→単芽球→単球→マクロファージ
リンパ系幹細胞→リンパ芽球→前Tリンパ球→Tリンパ球
リンパ系幹細胞→リンパ芽球→前Bリンパ球→Bリンパ球
引用・参考
・生理学の基本@中島雅美(監修)
・生理学の基本がわかる事典@石川隆
・免疫学の基本がわかる事典@鈴木隆二
・解剖生理学@志村ら