ウエイトトレーニング

【フリーウエイト】フロントスクワットの是非~優秀だけどバックスクワットかな!

フロントスクワットは、数多あるスクワットのバリエーションの中でも重要な位置づけにあるエクササイズの一つです。

今回は、バックスクワットと比較し、メリットおよびデメリットを整理・考察していきたいと思います。

・スクワットの深さに関する記事はこちら

・スクワットの足幅に関する記事はこちら

フロントスクワット(FSQ)の特徴

フロントスクワット(FSQ)は、読んで字の如く、バーを背中に担ぐのではなく、体の前面で保持するため重心がやや前方に移動します。そのため、上半身はバックスクワット(BSQ)よりも前傾が少なく真っすぐ起きている状態になります。

上半身はさほど動かさいので、股関節の可動域がやや少なくなり、膝関節が大きく動きます。

BSQほどでは無いですが、そこはスクワット。多関節エクササイズであるため、高重量を扱うことができる種目(コアエクササイズ)になります。重量の目安は、BSQの80~90%と言われていますが、90%はウエイトリフターが設定する重量なので、一般的には80%程度とするといいと思います。

フロントスクワットのメリット

  • より大腿四頭筋を鍛えることができる。
  • 上半身の前傾が少ないため、腰部の負担が少ない。言い換えると、腰痛リスクが低い。
  • 身体の前方でバーを保持するため、腹筋群で姿勢を支える比率が上がる(BSQよりも)。

ストレングス関連著名者の著書にも、大殿筋よりも大腿四頭筋をメインターゲットとし、腰痛リスクが低いと多く記載があります。

デメリット

  • 手首の負担が大きい。
  • 大殿筋の関与が若干落ちる。
  • 膝が前に出やすくなるので、膝を痛め可能性がある。
  • 足関節の可動域が狭いフォームを維持しにくい(BSQ以上に)。

バックスクワットとフロントスクワットの筋電図活動比較

おなじみのJATIコラム(JATI EXPRESS Vol.58@佐野村学)では、バックスクワットとフロントスクワットの筋電図活動比較が記載されています。

研究では、膝関節90°屈曲のBSQとFSQにおける、立ち上がり時(コンセントリック局面)、しゃがみ時(エキセントリック局面)、およびその平均値の%MVIC(% maximum voluntary isometric contraction/最大随意等尺性収縮時に対する割合)を比較しています(わかり肉と思うので、以下の表の数字のみに着目してください)。

 

このコラム内の研究では、以下の7つの筋肉のデータを取ったようです。

  • 大腿直筋
  • 内側広筋
  • 外側広筋
  • 半腱様筋
  • 大腿二頭筋
  • 大殿筋
  • 脊柱起立筋

筋電図活動

表1. BSQとFSQの筋電図比較

バックスクワット(BSQ)フロントスクワット(FSQ)
1RM109kg85kg
体重比1.4倍1.1倍
大腿直筋36%47%
内側広筋48%55%
外側広筋49%56%
大腿二頭筋29%18%
半腱様筋
大殿筋
脊柱起立筋

出典:JATI EXPRESS Vol.58「スクワット時の下肢の筋活動」@佐野村学

なお、データに関しては、わかりやすくするために、小数点以下は四捨五入としています。

しゃがみ時(エキセントリック)には、ほとんど差が出ないようですが、立ち上がり時(コンセントリック)およびその平均値では、筋活動に差が出るようです(上記表は平均値捉えてください)

立ち上がり時において、フロントスクワットの大腿四頭筋の筋活動はバックスクワットよりも活発となり、逆にハムストリング(大腿二頭筋)は低下し、股関節もバックスクワットほど動いていないので、フロントスクワットのメインターゲットは大腿四頭筋で間違いないと思います。

 

また、膝関節の屈曲角度は、バック/フロントで差は無いものの、股関節の屈曲角度は、バックスクワット79.5°、フロントスクワットで95.9°となるので、フロントスクワットの方が股関節は動いていないことになります。

言い換えると、フロントスクワットは膝関節が優位に動き、上半身も起きた状態になるので、筋電図のデータは記載されていないものの背筋群の活動は低下し、腰椎からのモーメントアームも短くなるので腰痛リスクは低下すると考えていいと思います。

スクワットにおける体幹筋活動に関する記事はこちら

なお、この研究は、12名の男子ウエイトトレーニング経験者のデータなので、必ずしもすべての人に当てはまるかはわかりません(あくまでも、いち参考資料と捉えてください)。

女性のバックスクワットとフロントスクワットの筋電図活動比較

もうひとつ、JATI EXPRESS Vol77では、女性のBSQおよびFSQのフルスクワットの筋活動のデータを出しています。コラムでは、パラレルSQのデータも記載していますが、フルスクワットと差が無いので割愛しました。

BSQFSQ
10RM46.7kg39.2kg
推定1RM62.3kg52.3kg
体重比1.07倍0.90倍
外側広筋123%124%
大腿二頭筋14%13%
大殿筋上部30%29%
大殿筋下部42%44%

出典:JATI EXPRESS Vol.77「スクワット時の男女の下肢の筋活動の違い」@佐野村学

なお、データに関しては、わかりやすくするために、小数点以下は四捨五入としています。

女性の場合も、フロントスクワットでは、脚(大腿四頭筋)メインで立ち上がっているようです。男性よりも股関節伸展筋(大殿筋・ハムストリング)が活動しておらず、特にH/Q比が0.10程度なので、ハムストリングがほぼ活動していません。このことからもハムストリングが弱化傾向なので、コンタクトの少ない球技(サッカーやバスケットボール等)における膝の前十字靭帯(ACL)損傷のリスクが高いことはここからも読み取れます。

なお、この研究は、13名の女子ウエイトトレーニング経験者(平均年齢29歳, 身長164cm, 体重58kg)のデータなので、必ずしもすべての人に当てはまるかはわかりません(あくまでも、いち参考資料と捉えてください)。

まとめ

多くの先生方や佐野村先生の研究コラムからもフロントスクワットのメリットとしてはは、

  • より大腿四頭筋を鍛えることができる。
  • 腰部の負担が少ない。または腰痛リスクが低い。
  • 腹筋群も鍛えることができる(BSQよりも)。

逆に(バックスクワットと比較した)デメリットは

  • 挙上重量が下がる。
  •  股関節伸展筋群(大殿筋/ハムストリング)の活動が低い。
    • 特に女性のハムストリングの活動が低い。
  • 膝が前に出やすくなるので、膝を痛める可能性がある(フォームの問題、正しいフォームならそのリスクは少ない)。
  • 手首の負担が大きい*(今回触れてはいませんが、以下の個人的見解で述べています)。

個人的見解~結局、最適なスクワットは、スタンダードのフルスクワット。非常にきつくていやだけど(+_+)

確かに、フロントスクワットは優秀なコアエクササイズで筋量や最大筋力を効果的に向上させることができる種目であると思います。

バックスクワットよりも腰痛リスクが低く、大腿四頭筋をより鍛えることができます。

それでも、ウエイトリフティングを本格的に行っている人以外は(ウエイトリフティングにおけるフロントスクワットは、競技の一部です)、メインにするのはスタンダードのバックスクワットを押します。

以下にその理由をまとめます。

  • 物理的負荷をより大きくできる(より筋肥大、最大筋力の効果が高い)。
  • 大腿四頭筋も十分に鍛えることができる。
  • 股関節伸展筋群(大殿筋・ハムストリング)をより鍛えることができる。
  • 腰痛リスクはスタンダードフォームなら低い(ハイバースクワットです)。
  • 手首リスクはほぼ無い(以下の記事を参照してください)。

・クリーンのキャッチに関する記事はこちら

一番大きいのは、やはり手首です。軽量なら問題ないですが、ある程度の重量の場合、手首痛がトレーニングの質を下げる最大の制限因子になることもあります。

もし、フロントスクワットで筋肥大効果等を最大に狙うのであれば、クロスアームフォームで行う方がいいのではないでしょうか。

フロントスクワットは、バックスクワットの補助(重量は下がる)またはバリエーションとして刺激を変えたりするのに短期的に用いる方がいいのではないでしょうか。

また、クリーンを導入する場合は、キャッチに重要なので、是非取り入れてください。クリーンにおけるフロントスクワットは一般的には重量は下がる(ウエイトリフターは別格)ので手首のリスクも減るはずです。

スクワットの記事のときには必ず書いていますが、可動域を大きく取れるスタンダードのフルスクワットの身体的および精神的ダメージは非常に大きく、継続することが困難は場合も多大に考えられます。

ご自身の目的や体力レベル等を考慮して、最適なスクワットを見つけてください。継続することが最大の効果をもたらせます。

上記を参考にして、いろいろと試してみてください。答えは一つではありません!

・スクワットに関する記事はこちら

・スクワットに関する記事2はこちら

引用・参考
・筋トレエクササイズ事典@有賀誠司
・筋肉まるわかり大辞典, トレーニングメソッド@石井直方
・筋トレまるわかり大辞典@谷本道哉
・筋トレ動き方・効かせ方パーフェクト事典@荒川裕志
・JATI EXPRESS Vol.58, 77「スクワット時の下肢の筋活動」@佐野村学
・Starting Strength@Mark Rippettoe・訳八百健吾

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