コロナ禍のため、今期の大きな大会の開催はまだ不透明ですが、マラソンシーズンに入りました。私自身は、昨年は全くだらけて、ほぼ1年さぼりましたが、今年はタイムはともかく、最低限の持久力を維持するために9月からランニングを再開しました。
持久力を高めるためには、走ることが最重要ですが、それに伴い関節リスク(膝・足首等)も増大します。関節を保護するためにもランニングシューズは不可欠です。今回は、最低限必要なランニングシューズの基礎知識をまとめました。
- クッション性と寿命
- シューズの型とその特性
- 試し履きの必要性
- 基礎用語
クッション性と寿命
シューズ選択には、走力を考慮したうえで、クッション性、安定性、快適さ、柔軟性等を考慮する必要があります。
クッション性能は、NSCAのガイドラインでは「483~805kmまたは6か月でその性能の50%が失われる」とあります。この時点でまだ半分と捉えるのではなく、そのまま履き続けると、傷害リスクが著しく高まるので、買替えのタイミングと考えるのが妥当でしょう。
多くのテキストやサイトでも大体500kmくらいが寿命とあり、ミッドソールの劣化(シワ等)もシューズの寿命の目安となります。
持久系のアスリートなら、遅くとも半年で履き替える必要があるのではないとかと思っています。中長距離の専門ランナー以外のアスリートは、スピードを求める軽量シューズよりも関節保護を目的としたクッション性の高いシューズの使用を勧めます。
方減りや穴の開いたシューズで走り続けるのは論外です。傷害リスクは増大するし、資質を疑います。高価なシューズは必要ないので、比較的安価のクッション性の高いシューズを定期的に履き替えましょう。
ジュニア世代は、スピード重視の軽量化シューズよりも、安全性を考慮しクッション性を重視した方がいいと思います。
シューズの型と接地タイプの相性を知る
シューズの型には、
- ストレート型
- セミカーブ型
- カーブ型
の3種類あり、接地のタイプにより相性の良いシューズの型が存在します。
- Over pronation(過度の回内)には、ストレート型の運動制御(サポート型)シューズ
- ニュートラルには、適度な方向コントロールと足関節のコントロールが可能なセミカーブ型
- Supination(under pronation) には、足関節の可動域が大きいカーブ型
が適しています。
Over pronation とは、Leg-Heel Alignment が回内13°以上(外反足・X脚傾向と捉えてください)のことを言い、Supination(under pronation) は回外5°以上(内反足傾向)のことをいいます。ちなみに私はニュートラル(回内13度から回外5度まで)です。
出典:パーソナルトレーナーの基礎知識@NSCA
足の接地特性に合わせたシューズの特性のまとめ
上記を表にまとめました。
足の接地特性 | シューズ型 | 特性 |
ニュートラル | セミカーブ | 中程度の運動制御 |
Over Pronation | ストレート | 高い運動制御 |
Supination | カーブ | 高い運動柔軟性 |
出典:パーソナルトレーナーの基礎知識@NSCA Japan
試し履きの必要性
試し履きは必須で、サイズの変化にも注意を払う必要があります。リンパ液、水分、重力の関係で、朝よりも夜の方が5%程度大きくなります。
また、70%以上の人が左右の足のサイズに5mm以上の差があり、当然、大きいほうの足で合わせる必要があります。購入の際には専門ショップでのサイジング(長さおよび幅)を奨励します。
私の場合、サイズは左右ほぼ同じですが(若干左のほうが長い)、足幅は1cmほど右のほうが大きいので、右で合わせる必要があります。縦のサイズよりも横のウィズ(私は4E)が重要になります。
シューズ内の温度は、35℃前後と考えられ、夏場は42℃、湿度90%にも及びます。
熱の発生源は体温では無く、着地の衝撃熱です。
アッパー素材は通気性の良いメッシュがスタンダード、シューズ底に穴をあけて通気性を向上させる方法もあるらしいです。
現在のシューズは、優れているものが多いので、安価でも最低限これらの処置は取られていると思います。
シューズの基礎用語
名称 | 部位 | 役割 |
アッパー | 足の上の覆う部分全体 | 通気性が重要 |
トゥキャップ | つま先の補強部分 | |
シューレース | 靴ひも | |
アイレット | シューレースを通す穴 | |
シュータン | 靴のベロの部分 | ひものズレを防ぐ |
ヒールカップ | 踵部分を覆うカップ形状のパーツ | 走行時の足のブレの防止 |
ミッドソール | インソールとアウトソールの間の部分 | 衝撃吸収素材が搭載、クッションのメイン部分。 |
アウトソール | 接地部分 | 耐摩耗素材を使用していて反発性も高い |
引用:ランニングマガジンクリール, ターザン等
アシックス、ミズノ、ニューバランスは日本人向きにウィズ展開しているものが多く、一方、アディダスやナイキはやや狭い構造になっているものが多いようです。
私は、当然、日本人向きの足なので、最も履きやすいのはアシックスですかね。
引用・参考:ランニングのかがく@桜井智野風