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【コンディショニング】熱疲労と熱射病の症状や処置の対比

2021年6月29日


前回は、熱中症の基礎として、分類とそれぞれの熱中症の大まかな症状をまとめました。第2回目は、熱中症の中でも中重症にあたる「熱疲労」と「熱射病」にフォーカスして対比したいと思います。

熱中症の基礎知識はこちらを参照してください。

熱疲労と熱(日)射病の症状比較

「熱疲労」と「熱射病」の症状を以下の5項目で対比したいと思います。

  1. 顔色
  2. 皮膚
  3. 体温
  4. 脈拍

おおまかな症状を以下の表にまとめました。面白いほど逆の症状が出ます。

顔色皮膚体温脈拍
熱疲労蒼白大量ベトベト高い弱早
熱射病紅潮殆ど無しカサカサとても高い強早

顔色

「熱疲労」は循環機能が低下した状態なので、顔面蒼白になります。脳に十分な血液も回らないのでかなりボーッとする状態になると思います。

「熱射病」は体温調節ができないので、発汗ができず体温を下げることができないので、顔面も紅潮します。

ただし、夏は日に焼けているので、もしかしたらこれだけでは判断がつかないかもしれません。

汗と皮膚

「熱疲労」は汗を大量にかくので、皮膚はその汗でベトベトです。

一方、「熱射病」は汗をほとんどかかないので皮膚はカサカサです。

汗をかいているうちは、命に別状はないかもしれません。

専門学校で教鞭をとっているときに、この対比問題は必ず出したのですが、なぜか「熱射病」を「サラサラ」と解答する学生が多かったですね。「カサカサ」と「サラサラ」では全く違うので当然間違えです( ̄ー ̄)

「サラサラ」はみずみずしいですが、「カサカサ」はみずみずしさは全くないですよね(+_+)

ここはかなり重要な項目だと思います。汗が出ていないようなら、かなり危険と考えていいと思います。

体温

両者とも体温は上がりますが、より上がるのは「熱射病」です。40℃を越えることも考えられます。肌を触診すると、汗をかいていないのでその熱そのものを感じるはずです(高温)。

一方、熱疲労はそこまでは上がらず、38~39℃程度でしょうか。体温自体は高熱ですが、汗を大量にかくので触るとヒンヤリすることもあります。

この後の処置で出てきますが、熱射病の場合、かなりの高温なので暑がると思います(意識があれば)。一方、熱疲労も高熱ではあるが、汗をかくので寒いと感じることもあるようです。

脈拍

脈自体は両者とも速くなりますが、循環機能が低下している「熱疲労」は脈が弱く、「熱射病」は呼吸循環器が破綻しているので脈も強くなります。

熱疲労と熱(日)射病の処置比較

  • 共通する処置
  • 相反する処置

共通する処置

共通する処置は基本的には2つ

  1. 涼しいところに移動する
  2. 水分補給をする

当たり前と言えば、当たり前だと思います。ほぼ同時に行います。

水分補給に関しては、次回以降にまとめたいと思います。

相反する処置

相反する処置は

  1. 休ませる体位
  2. 冷やすか、温めるか

休ませる体位

熱疲労は、顔面蒼白で脳に血流がいかない状態です。よって、頭を下げるショック体位が妥当です。

ショック体位

一方、熱射病は、顔面紅潮で血流が脳・顔に集まった状態なので、頭を上にするファウラー体位を取ることになります。

ファウラー体位

熱射病が進み、昏睡状態であれば、昏睡(coma)体位が必要です。

昏睡(COMA)体位

冷やすか?温めるか?

熱疲労であろうと熱射病であろうと熱中症(熱失神も含む)は、基本的には体温が上がるので、身体を冷やすのが適当です。

上記にも記載しまいたが、熱疲労の場合、大量の汗をかくので、体温が下がり、寒く感じることも考えられます。その場合は、温めるという選択肢もあります。

患者が、暑いと感じていれば冷やして、寒いと感じていれば温めるということになります。チームでは、毛布は常備しておきましょう。

まとめ

  • 熱疲労と熱射病の5つの相反する症状(顔色・汗の量・皮膚の状態・体温・脈拍)
  • 共通の処置は、「涼しい場所への移動」と「水分補給」
  • 相反する処置は
    • 熱疲労は「冷やすor温めてショック体位」
    • 熱射病は「冷やしてファウラー体位」

参考
・トレーナーズバイブル@Arnheim
・スポーツ栄養学@鈴木志保子
・国際救急救命協会emargency care資料
・日本スポーツ協会HP

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