【考察】ロードワークで向上できる体力は柔軟性・スピード・アジリティ等多岐にわたる

ボクシング

ボクサーのトレーニングは以下の3本柱です。

  1. 練習(ジムワーク)→技術・戦術および専門的全身持久力向上目的
  2. ロードワーク→全身持久力向上,コンディショニングというよりも練習の位置づけ
  3. ウエイトトレーニング→筋力・パワー養成および可動域の確保、コンディショニング第1位

前回の記事では、ジムワークで向上できる体力を考察しました。今回は、ロードワークで向上できる体力について考えたいと思います。

ボクサーにウエイトトレーニングは必要か? を考察する記事はこちら

ボクサーのウエイトトレーニングに関する考察記事はこちら

ロードワークで向上できる体力

ロードワークの最大の目的は、間違いなく「全身持久力の向上」です。より専門的に説明すると

  1. 最大酸素摂取量(VO2max)の向上
  2. 乳酸性または換気性作業閾値(LT or VT)の向上

になります(この部分に関しては別の機会にまとめます)。しかし、それ以外にも大きな効果が見込めます。

  1. 身体の使い方
  2. スピードトレーニング
  3. プライオメトリクス

メインのラントレ(全身持久力トレ)の前のウォームアップにこれらを組み込みます。最大限の効果は出せないかもしれませんが、それぞれの体力要素を向上することは可能です。

コンディショニングの定義・目的に関する詳細記事はこちら

・ロードワークに関する記事はこちら

ウォーミングアップの重要性と3つの方法論

ウォーミングアップ(WU)の目的は、メイントレーニングまたは練習のための準備になるわけですが、さらに以下の3つで考えていくことになると思います。

  1. 生理的ウォーミングアップ
  2. 心理的ウォーミングアップ
  3. 体力的ウォーミングアップ

 

生理的ウォーミングアップ

生理的WUの目的は、

  • 筋温の上昇
  • 心拍数の上昇

などが挙げられ、手段としては、メインラントレ前のジョグやシャドーボクシングなどになります。これをしていない選手はいないと思います。もししないと傷害につながったり、メイントレーニングの強度も上げづらく効果が薄れてしまうかもしれません。

心理的ウォーミングアップ

これから試合や練習をするための心の準備です。最近では、この分野も発展してきて、メンタルトレーニングとして取り入れている選手も多いと思います。

私自身もウエイトトレーニングやゴルフでは、ルーティンを持っているのでその恩恵は受けています。現役時代にはメンタルトレーニングとしての知識は無かったものの、経験的に似たようなことはしていました。

体力的ウォーミングアップ

実際には、生理的WUと同時に進行していくことになると思いますが、この部分を意識している選手は少ないかもしれません。

この部分が、ロードワークにおいて全身持久力以外の体力を向上させることができるところで、今回のメイントピックです。

体力的ウォーミングアップで向上できる体力

具体的には、

  • 柔軟性(動的ストレッチング)
  • スピード(スピードトレーニング)
  • アジリティ(アジリティトレーニング)
  • 軽量パワー(プライオメトリクス)

の効果が期待できます。

・体力・フィットネスに関する記事はこちら

柔軟性・動的ストレッチング

ロードワーク(ラントレやジョグ)のデメリットは、可動域が乏しくなる可能性があることです。WUの段階で、自重でのスクワットやランジ、その他の股関節ドリルを取り入れるとこで、筋温や心拍数の上昇のみならず可動域も確保できます(ジョグのみでは筋温・心拍数上昇)。さらい股関節の正しい使い方を習得します(ウエイトトレーニングの目的でもあります)。

メイントレーニング後にも、これら動的ストレッチングを行うことで、硬くなった筋肉をほぐすことができるので、クーリングダウン効果もあります。

スピード/アジリティトレーニング・プライオメトリクス

ここでは、メインのラントレに影響が出ないレベルでの実施という制限付きではありますが、スピードやプライオメトリクスを導入することで、スピードやパワーを獲得することもできます。

スピードの定義は、NSCAでは「単位時間当たりの移動距離」としていますが、ボクシングにおけるスピードは少々違うかもしれません。私が考えるボクサーのスピードは、以下の3つです。

  1. ハンドスピード
  2. フットワーク(足さばき)
  3. ボディワーク(体幹・コアのスピード)

ロードワークにスピードトレーニングを組み込むことで、フットワークとボディワークの向上が見込めると思います。これらは100m程度のスプリントよりも、より短い距離、場合によっては5mや10mダッシュなどがあってもいいかもしれません。

スピードトレーニング(ダッシュやスプリント)に関しては、ロードワークのメイントレーニングになる日(週に1~2度)があってもいいかもしれません。特にスピードが課題の選手には必須となるでしょう。場合によっては、横の動きメインのアジリティを導入してもいいと思います。

プライオメトリクスは、ここではスキップや低強度のジャンプトレーニングとします。

ロードワーク、スピードトレーニングやプライオメトリクスの注意点は、サーフェイス(地表面)です。天然芝が最適ですが、むしろ難しく、実際には、アスファルトや土になると思います。

アスファルトでは膝や足首等関節負担が大きく、土や野芝では地面が凸凹の場合もあるので、その際には十分に気をつけなければなりません。少なくともクッション性の高いシューズを定期的に変えてリスクは最小限にしていただきたいと思います。

穴は論外、片減り等アウトソールはチェックしていただきたいと思います。お金はかかりますが、自己投資として半年に一度は買い替えたいものです(¥5,000以下のもので十分です)。

また、あくまでもウォーミングアップなので、やり過ぎにも注意しましょう(メインにならない程度)。やり過ぎると、疲労が勝り、メインのラントレ(全身持久力)の効果が薄れてしまう可能性があります。

プライオメトリクスに関する記事はこちら

まとめ

ロードワークの目的は、「全身持久力」の向上ですが、さらにやり方によっては下記の体力を向上することができます。

  1. 動的柔軟性
  2. フットワークやボディワーク等スピードおよびアジリティ
  3. パワー

具体的な方法論は折を見て、記事にしたいと思います。

・ストレングストレーニング&コンディショニング第4版@NSCA Japan
・ストレングス&コンディショニングⅠ(理論編)@NSCA Japan
・トレーニング指導者テキスト理論編@JATI
・トレーニングジャーナル(2003)「ウォームアップ概論」@土黒秀則

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