栄養学

【栄養学】脂質の基礎④~コレステロールとリポたんぱく質(善玉・悪玉)は同じもの?

2021年1月11日

脂質の4記事目、今回はコレステロールについてまとめたいと思います。これて素ロールに関係する用語として、リポタンパク質、善玉コレステロール、悪玉コレステロール、LDL、HDL等がありますが、それらの意味を理解していきましょう。

コレステロールの特徴と役割

脂質の一種で、誘導脂質に分類されるコレステロール。その特徴・役割は

  • エネルギーは持たない。
  • 細胞膜の材料になる。
  • ステロイドホルモン(副腎ホルモン・性ホルモン)の材料になる。
  • ビタミンDの材料になる。
  • 胆汁酸の材料となる。

等が挙げられます。

ステロイドおよびステロールの定義

ステロイドの一つであるコレステロール。ステロイドとは「ステロイド骨格を持つ物質の総称」であり、ステロイド骨格とは「4つの環状構造部分(3つの六角形および1つの五角形)を持つ」ものです。ステロイド骨格の3位に水酸基(-OH)を持つものをステロールといいます。ステロール類のひとつがコレステロールです。

ステロイド骨格

フィードバック調節~コレステロールは肝臓で合成される

コレステロールは1日に約1~2gが肝臓で合成されますが、その合成量は食事からの摂取量により決定します。少し前までは摂取量の上限を750mg/日(女性は600mg)としていましたが、2015年以降は上限量や目標量は設定されていません(取り過ぎないことを奨励していますが、科学的根拠に乏しいため)。成人男性の平均摂取量は約500mg/日(平均合成量の約半分)で、この合成量の調節をフィードバック調節(または阻害)といいます。

リポタンパク質とは、

コレステロールは誘導脂質の一つですが、脂質(親油性・疎水性)なのでコレステロールだけでは血液中を移動することはできません。そこで、リポタンパク質という形を取り、血液中を移動し、必要に応じて各細胞にコレステロールを輸送します

リポたんぱく質とは、複合脂質のひとつで、脂質とタンパク質の複合体です(Lipo-は脂質を表す接頭辞)。個人的にはリポたんぱく質を誘導脂質とした方がしっくりきます。

含まれる脂質(コレステロールや中性脂肪:TG)やアポタンパク質(リポたんぱく質内のタンパク質)の組成の違いから4つに分類されます。両親性で、内部は中性脂肪やコレステロールの疎水性、外部は親水性である「リン脂質」と「アポタンパク質」で構成されているので、血管中を移動することができます。

リポたんぱく質の4分類~カイロミクロン・VLDL・LDL・HDL

タンパク質の比重の違いで以下の名前に分類されます。

  1. カイロ(キロ)ミクロン(Chyromicron)
  2. VLDL(超低密度リポタンパク質:Very Low Density Lipoprotein)
  3. LDL(低密度リポタンパク質:Low Density Lipoprotein)
  4. HDL(高密度リポタンパク質:High Density Lipoprotein) *

*IDL(中密度リポタンパク質:Intermediate Density Lipoprotein)を入れるテキストもあります。

構成比率

上記4種類のリポたんぱく質の構成比率は、

  1. カイロミクロン:TG85%, コレステロール7%, リン脂質6%, タンパク質2%
  2. VLDL:TG55%, コレステロール19%, リン脂質18%, タンパク質8%
  3. LDL:TG10%, コレステロール47%, リン脂質22%, タンパク質21%
  4. HDL:TG5%, コレステロール24%, リン脂質29%, タンパク質42%

出典:基礎栄養学@田地陽一 *テキストにより違いあり。

リポたんぱく質の役割

4種類のリポたんぱく質の役割は、

カイロミクロン

外因性脂質(食事由来)の輸送系で、リンパ管から肝臓間で各細胞に中性脂肪を輸送します。中性脂肪の無くなったカイロミクロンをカイロミクロンレムナントといい、肝臓で処理され消滅します。

*小腸から吸収された脂質はカイロミクロンとなり、リンパ管(血液には入れない)に入ります。

VLDL

内因性脂質(肝臓で合成した脂質)の輸送系で、肝臓から各細胞に中性脂肪を輸送します。

LDL

VLDLから変化し(中性脂肪をそぎ落としてLDLの比率になる)、コレステロールを全身に輸送します。過剰の場合、酸化LDLとなり血管中にへばりつくこともあり、これを悪玉コレステロールといいます。動脈硬化や心筋梗塞の原因になる可能性があります。

悪玉コレステロールと言っても、LDL自体は決して不要なものでは無く、過剰でかつ酸化したLDLが虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)や脳梗塞を引き起こします。

HDL

悪玉コレステロールを血管から回収し、肝臓に戻す役割を持っています。身体に悪い酸化LDLを回収するので善玉コレステロールとも呼ばれます。多ければ多いほど健康と言えます(下記参照)。

コレステロールプロフィール

陽性指針として

  • LDL:130mg/dl以上
  • HDL:40mg/dl未満
  • 総コレステロール:200mg/dl以上

で冠状動脈疾患や脳梗塞リスクが高くなります。HDLの数値は高いほど良く、60mg/dl以上だと酸化LDL回収能力が高くなり、健康度が増します。

参考・引用:
・スポーツ栄養学@寺田新
・基礎栄養学:田地陽一(羊土社)
・生化学(改訂2版):薗田勝(羊土社)
・栄養の基本がわかる図解事典:中村丁次監修(成美堂出版)
・パーソナルトレーナーのための基礎知識第2版@NSCA Japan

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