【栄養学】脂質の基礎知識①~脂質の分類、脂質と脂肪の違いを知る

栄養学

脂質は、水に溶けずにアルコール等有機溶媒に溶ける性質(親油性・疎水性)を持つ高エネルギー有機物の総称で、3大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の1つでもあります。糖質と共に主要エネルギー源でもある脂質および脂肪の基礎知識を整理しましょう。

脂質(Lipid)と脂肪(Fat)の違い~脂質の分類

(中性)脂肪は、脂質の一種で、脂質の中で唯一エネルギー源となるものです。脂質は以下の3種類に分類します。* lipo-は脂質を表す接頭辞です。

  1. 単純脂質(simple lipid)
  2. 複合脂質(complex lipid)
  3. 誘導脂質(derived lipid)

単純脂質は、中性脂肪のこと。

単純脂質は、中性脂肪のことです。中性脂肪はトリグリセリド(Tri-glycerid) といい、グリセリン(アルコールの一種) に3つの脂肪酸が結合(アルコールと脂肪酸の有機化合物)したものです。油脂として扱われることがありますが、

  • 油(oil)は常温で液体の脂肪
  • 脂(fat)常温で固体の脂肪

のことです。

安静時や低強度の運動時(日常生活含む)のエネルギー源として、糖質と共に使用され、9kcal/gのエネルギーを持ちます。中性脂肪に関しては、別途まとめます。

複合脂質

中性脂肪の3つの脂肪酸の一つが、他の物質と結合したものです。糖、リン酸、タンパク質が結合し、それぞれ

  • 糖脂質(glycolipid)
  • リン脂質(phospholipid)
  • リポたんぱく質(lipoprotein)→コレステロールとして別途まとめます。

といいます。細胞・生体膜の構成要素になります。エネルギー源にはなりません。

誘導脂質

血液中を移動できる脂質で、基本的には脂肪酸と捉えていいと思いますが、その他、ステロイドや脂溶性ビタミンも誘導脂質に分類されます。

脂質の役割

  1. エネルギー源になる。
  2. 細胞膜、核酸(DNA, RNA)、神経組織の構成成分となる。
  3. 脂溶性ビタミンの吸収を助ける。
  4. 体温保持
  5. 内臓のクッションになる。

摂取量と摂取比率

ではどれくらい摂取すればいいのでしょう。不可欠な栄養素ですが、飽食の時代にあっては、過剰摂取なることが多く、糖質同様管理する必要はあるでしょう。ただ、摂取量に関しては明確な数字は無く、一般的な摂取比率(PFC比)は、総カロリーの20~30%にするのが妥当です

不足

不足することは少ないですが、不足すれば下記の機能不全を起こします。

  • エネルギー不足(中性脂肪不足)
  • エネルギー不足から来る筋肉合成不全(糖新生の可能性、糖質不足ほどでは無いか?)
  • 細胞・生体膜、核酸、神経組織の形成不全(複合脂質・コレステロール不足)

格闘家等が過度の減量(栄養素度外視のいわゆる下手な減量)をすると、脂質・コレステロール不足による細胞膜や生体膜の弱化が起こり、打たれ弱くなる可能性があります。脳の細胞膜形成にも関係するので最悪、死に繋がるリスクは否定できません。過度の減量が必要な場合は、専門家に相談しましょう(適正減量・体重でないこともままあるので)。食べないだけの減量は、もはや時代錯誤もいいとこです!

今回の内容とは、直接は関係しないですが、格闘技の勝敗を分ける第一要素は「体重・階級」です。ご自身が適正階級で戦っているかが最も重要と考えています。無理な減量は百害あって一利なしです!

過剰摂取

過剰摂取した場合は、体脂肪として蓄積します。飽食の時代である現代は、脂質の過剰摂取になる可能性が高いため、高脂血症をはじめとする生活習慣病になる可能性は少なくないでしょう。

高脂血症になれば、血管にコレステロールが付着し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。コレステロールについても別途まとめますが、下記の数値は高脂血症として覚えておくといいでしょう。

  • LDL(悪玉コレステロール):130mg/dl~
  • HDL(善玉コレステロール):~40mg/dl
  • 総コレステロール:200mg/dl~
  • 中性脂肪:150mg/dl~

脂肪酸についての記事はこちら

引用・参考
・スポーツ栄養学, からだ食堂(トレーニングマガジンVol.16中性脂肪)@鈴木志保子
・基礎栄養学第2版@田地陽一
・生化学第2版@薗田勝
・栄養の基本がわかる図解事典@中村丁次(監修)
・アスリートのための最新栄養学(上)@山本義徳
・パーソナルトレーナーのための基礎知識@NSCA Japan
・生化学超入門@生田哲

イラストはイラストACのKONIさん

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