機能解剖学

【機能解剖学の基礎】脊柱の構成は頸椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨の5種26個

2020年5月19日

前回、機能解剖学の勉強の始まりは骨206個(厳密には181個)としました。今回は、その中でも身体の中心になる脊柱にフォーカスします。

まずは、「機能解剖学の基礎」を押さえてください。

脊椎と脊柱

背骨を表す専門用語は、「脊椎と脊柱」となります。脊椎は正式には「脊椎骨」と言い、略して「脊椎」「椎骨」と呼ばれることもあります(むしろこちらの方が一般的)。脊柱とは脊椎の柱となるので、脊椎が連なったものとなります。骨の一つ一つが「脊椎」で、それが集まったものが「脊柱」です。

脊椎の英語は「Vertebrae」、脊柱は「Vertebral Column」、脊柱管は「Vertebral Canal」

脊柱の構成

脊柱の構成は以下の5パート

  • 頸椎
  • 胸椎
  • 腰椎
  • 仙骨(仙椎)
  • 尾骨(尾椎)

頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨・尾骨各1個で計26個になります。

頸椎

哺乳類の頸椎は7つ(一部例外はありナマケモノは数が違うようです。さらに鳥類や爬虫類は数が違います)で、第1~第7頸椎や頸椎1番~7番で表します(正式には第1~7頸椎だと思います)。

英語で「Cervicle vertebrae」と言うので、その頭文字をとってC1~C7で表記することができます。これは絶対に覚えましょう。

次回まとめますが、第3頸椎以下は構造は同じです(胸椎・腰痛を含む)。言い換えると、第1頸椎と第2頸椎は特殊な形をしています(当然、仙骨と尾骨も)。

第1頸椎を「環椎」、第2頸椎を「軸椎」と言います。第3~7頸椎は同構造となりますが、第7頸椎は非常に大きく、首の付け根の出っ張りなので隆起している頸椎から「隆椎」と言います。スクワットで首が痛い人は、大抵ここにバーベルを乗せています。

整理すると

  • 環椎(C1)
  • 軸椎(C2)
  • 第3~第6頸椎(C3~C6)
  • 隆椎(C7), ただし構造はC3~C6と同じ

環椎・軸椎に関しては、次回まとめます。

胸椎

胸椎は、12個あり第1~第12胸椎(胸椎1番~12番)で表すことができ、英語で「Thoracic vertebrae」からT1~T12となります。これも覚えましょう。

第3~第7頸椎とは、形が一見違うように見えますが、基本構造は同じです。

頸椎・腰椎との違いとしては、肋骨と連結しているので「胸郭」の構成部分でもあります。胸郭についても後ほど記述しますが、ここでは構成のみを挙げておきます。

胸郭の構成

  • 胸椎12個
  • 肋骨12対
  • 胸骨

腰椎

腰椎は、5個あり第1~第5腰椎(腰椎1番~5番)で表すことができ、英語で「Lumber vertebrae」からL1~L5になります。これも必須!

胸椎と形がよく似て、基本構造も同じです。

腰椎(特にL4, L5)は腰痛に関係が深いのでこれも後述予定。

仙骨・尾骨

仙骨・尾骨は、1個ずつと書きましたが、不全ではありますが解剖学的には分離していて、仙骨は仙椎5個、尾骨は尾椎3~5個(個人差)と同じです。

仙骨は仙椎でも意味を持つ重要な骨です(腰痛の部位はL4,L5が多いと書きましたが、S1もなかなか厄介なところみたいです)。

尾骨は解剖学上意味を持たない骨なので名前だけ憶えておきましょう。ちなみに「尾てい骨」は一般用語なので解剖学用語としては「尾骨」が正しいです。「てい」は平仮名になったようで、変換できません(骶は環境依存文字)。英語は「coccyx」、これはすぐには覚えなくでも大丈夫です。

仙骨は「Sacrum」、仙椎は「Sacral vertebrae」なのでS1~S5で表記します。

まとめ

脊柱(vertebral column), 脊椎骨(vertebrae)
1頸椎cervicle vertebrae7個
2胸椎thoracic vertebrae12個
3腰椎lumber vertebrae5個
4仙骨(仙椎5個)sacrum, (sacral vertebrae)1個
5尾骨(尾椎3~5個)coccyx, coccygeal vertebrae1個
環椎(C1)atlas
軸椎(C2)axis
隆椎(C7)vertebra prominens

次回は、脊柱の構造についてです。

・身体運動の機能解剖@Thompson/Floyd
・骨と関節のしくみ・はたらきパーフェクト事典@岡田隆
・筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典@荒川裕志
・運動療法のための機能解剖学的触診技術(上肢編)@林典雄
・骨単・肉単@河合良訓(監修)

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