機能解剖学

【運動学】足関節運動用語(内反・外反・内返し・外返し・回内・回外)の整理

2020年5月3日

先の関節の特別用語の記事でも述べましたが、足関節の運動には、底屈、背屈、内反、外反、内返し、外返しがあります。

底屈(屈曲)と背屈(伸展)はわかりやすいが、その他の用語は、定義があいまいで、同じとする記述もあれば、違うという記述もあります。

さらに、もうひとつ、あいまいな表現である「回内足」「回外足」を加えて整理しましょう。

内反・外反, 回内・回外, 内返し・外返し

私が使用しているメインテキスト「身体運動の機能解剖」では、

  • 内反(inversion)を「つま先と足の底が内側に向かい、同時に足部の外縁で立つような動き
  • 外反(eversion)を「つま先と足の底が外側に向かい、同時に足部の内縁で立つような動き

と定義し、回内、回外、内返し、外返しの表記はありません(*回内、回外に関しては、橈尺関節としての説明は有る)。

岡田隆(バズーカ岡田)氏の見解

「骨と関節のしくみ・はたらきパーフェクト事典」では、

  • 内反を「足裏を内側に向けるように足首を横にひねる
  • 外反を「足裏を外側に向けるように足首を横にひねる

と定義し、内反と回外および外反と回内は同意語として捉えています。内返し、外返しの表記は無いです。

柔道整復学校協会・日本リハビリテーション医学会・日本整形外科学会の見解

「運動学第2版(全国柔道整復学校協会)」では、

  • 内反を「基本肢位で関節の外側にある角度が正常よりも大きい状態
  • 外反を「基本肢位で関節の内側にある角度が正常よりも大きい状態

と定義しており、「変形を示す病的なもので、正常関節では用いない」とあります。また、

  • 内返しは「足底が内方を向く動き(足部の回外(supination)、内転(adduction)、底屈(plantarflexion)の複合した運動)
  • 外返しは「足底が外方を向く動き(足部の回内(pronation)、外転(abduction)、背屈(dorsiflexion)の複合した運動)」としています。

回内・回外は出てきますが、その説明はありません(全国柔道整復学校協会は、日本リハビリテーション医学会,日本整形外科学会の考えを基にしています)。

その他、海外の文献より

その他、海外でも数多の定義が存在し、混乱を招いています。それらを考慮して、足の運動に関しては、下記の2つの考えた方が存在し、見方によって用語も変わってくるようです。

  • Triplane motion(矢状面、前額面、垂直面上での運動) としての定義
  • Frontal plane motion(前額面での運動) としての定義

American Orthopaedic Foot and Ankle Society(AOFAS)の standerdised terminology and measurementでは、「inversionは足底面が正中線に向かって内方へ傾く運動, eversion は足底面が正中線に向かって外方へ傾く運動」と定義して、それぞれ内返し、外返しと訳されています。

まとめ

回内、回外に関しては、日本リハビリテーション医学会,日本整形外科学会の定義が一般的であると思われるので、

  • 回内を「足部長軸を中心とする外回旋運動」
  • 回外を「足部長軸を中心とする内回旋運動」

と定義しますが、単独では起こりえません。

むしろ、混乱してしまったようにも思えるますが、個人的には

  • 「内反≒回外≒内返し」
  • 「外反≒回内≒外返し」

でいいかなと思っています。さらに

  • 内返しおよび外返しは「関節運動」
  • 内反および外反は「病的な変形を表す状態(捻挫等)」
  • 回内および回外は運動と定義されているが内果および外果を軸にした傾き

と捉えています(回内足・回外足)。

引用・参考文献
・身体運動の機能解剖(Thompson Floyd, 中村・竹内訳)
・骨と関節のしくみ・はたらきパーフェクト事典@岡田隆
・運動学第2版(全国柔道整復学校協会)
・足部運動表示における内がえし(inversion)/外がえし(eversion)の定義@銅治,村田,浅野,守屋,吉永

フィジックスコンディショニングジム

より詳細を知りたければフィジックスコンディショニングジムの超入門セミナーをご検討ください。

-機能解剖学
-

© 2021 S&Cコーチ長澤誠浩オフィシャルブログ~Go the Distance! Powered by AFFINGER5