第7章は「パーソナルトレーナーにおける栄養」というテーマで、分野としては「クライアントに対する面談と評価」となります。冠状動脈の問題に比べると、問題数は少ないですが押さえておかなければならない章です。
出題範囲と傾向
受験テキスト付属のガイドラインによると、出題範囲は「基礎的な栄養調査」という項目で
- パーソナルトレーナーの栄養に関する提言における指導範囲
- クライアントの食習慣を見直し検討する方法
- 栄養、サプリメント、栄養摂取のタイミング、および1日の必要カロリーに関して、査読された情報源から得た基本的知識の伝達
- 摂食障害の徴候と症状の認識
- 適切な健康管理専門職へのクライアントの照会、あるいは助言要請
とあります。
上記からもわかるように、栄養素の役割・機能についてはほぼ出ないと考えられます。計算問題が中心となり、まずは覚えておきたい数値として、三大栄養素(炭水化物C, 脂質F, タンパク質P)に関するもの。ビタミン・ミネラルの摂取量に関してはまず出ないと思っていいでしょう。
表. 三大栄養素で覚えるべき数値(パーソナルトレーナーのための基礎知識第2版)
炭水化物 | 脂質 | タンパク質 | ||
エネルギー | 4kcal/g | 9kcal/g | 4kcal/g | |
摂取量 | 一般 | 5~6g/kg | 0.83g/kg | |
アスリート | 7~10g/kg | 1.2~2.0g/kg | ||
摂取比率 | 50~60% | 20~30% | 15~20% |
*摂取比率に関しては、明確な記載は無いので、一般の栄養学テキストから推測。
摂取カロリーと消費カロリー
摂取カロリーは、三大栄養素の総和です。簡単な計算なので間違わないように(炭水化物の摂取量 x 4, 脂質の摂取量 x 9, タンパク質の摂取量 x 4)しましょう。
消費カロリーは、
安静時代謝+活動代謝+食事誘導性熱産生(DIT)で求められます。
安静時代謝と活動代謝は面倒くさい計算式がありますが(P123表7.2, P124表7.3)、これで計算することは無く(必要ないので飛ばしてください。私も覚えていないです)、問題に数値が載っていることが多いです。DITは総消費カロリーの7~10%とありますが、計算に含まれないこともあるので、選択肢から判断してください。
**NSCAにおいては、安静時代謝は基礎代謝(安静時代謝≒基礎代謝)と捉えて問題ありません。
参考:基礎代謝と安静時代謝
摂取比率(PFC比)
摂取比率(PFC比)は、各栄養素の摂取カロリーを総摂取カロリーで除すれば求められます(例 Cの摂取カロリー÷総摂取カロリー x 100)。
その数値から食事内容に関するアドバイスができるようになればOK(脂質が多い、タンパク質が少ない等)。
ダイエットの原則(体重の増減)
また、頻出問題として、上記消費カロリーと摂取カロリーの収支の差による体重の増減を読み取ることは重要です。
ダイエットの原則は以下の3つ(実際には2, 3だけ理解すればOK)。
- 消費カロリー = 摂取カロリー:体重(厳密には体脂肪)の増減無し
- 消費カロリー > 摂取カロリー:体重(厳密には体脂肪)減少
- 消費カロリー < 摂取カロリー:体重(厳密には体脂肪)増加
水分摂取について
水分摂取については、ガイドラインをそのまま覚えておけばOKです! 練習前・中・後のガイドラインがありますが、練習後が最も出ると思います。以下の表を押さえておきましょう。
表. 水分の摂取タイミングと摂取量(パーソナルトレーナーのための基礎知識第2版)
摂取タイミング | 摂取量 | 目安 | |
練習前 | 4時間前 | 5~7ml/kg | コップ1~2杯 |
2時間前 | 3~5ml/kg | (200~500ml) | |
練習中 | こまめにとる | ||
練習後 | できるだけ早く | 600~700ml/lb | 体重減少分よりやや多め |
*ib:ポンド→0.45kg(2lb→900g, 約1kg)
通常、のどの渇きは脱水の始まり(1%の脱水)と考えますが、NSCAではのどの渇きよりも気温と湿度を重要視します。
増量と減量
増量に関しては、除脂肪体重1ポンドの増量で、2,500kcalのカロリーが必要です(1lb=2500kcal, 2lb(900g)=5000kcal)。
減量に関しては、
1lb(450g)/週の減量には500kcal/日 or 2lb(900g)/週の減量に1,000kcal/日の消費が上回る必要があると示唆しています。もちろんのこの数値は摂取カロリーを減らすか、消費カロリーを増やすことになります(またはその収支の差)。
もう一つのガイドラインは、体重の1%/週のペースで減量すること!
その他、摂食障害については19章を目を通してください(P548, 549)
NSCA-CPT受験対策~パート別傾向と対策
NSCA-CPT試験 第13章レジスタンストレーニングのエクササイズテクニック
NSCA-CPT試験 第15章レジスタンストレーニングのプログラムデザイン
NSCA-CPT試験 第16章有酸素運動のプログラムデザイン
NSCA-CPT試験 第18章高齢者・妊婦のプログラムデザイン
NSCA-CPT試験 第24・25章 施設・メンテナンス・法律
引用・参考:パーソナルトレーナーのための基礎知識第2版@NSCAジャパン(ブックハウスHD)
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