第16章 有酸素持久力トレーニングのプログラムデザイン
有酸素トレーニングのプログラムデザインは、レジスタンストレーニングほど複雑ではなく、以下の4つの要素(変数)で考えます。
- 運動様式
- 運動強度
- 運動時間
- 運動頻度
見ての通り、レジスタンストレーニングと変数も似ているので恐るに足らず。 時間は強度に依存しますが、テキスト通り20~60分を、頻度も2~5日/週で問題無いと思います。
運動様式は、どのタイプの運動を選択するかというもので、基本的には特異性重視、陸のスポーツなら走、水なら泳、氷・雪なら滑、高齢者等低体力者なら歩も選択肢になりますね。この程度でOK。
最も問われる最重要項目は、運動強度です。
運動強度について
運動強度は、
- 機械(物理)的強度→速度、仕事率(パワー)等
- 生理的強度→心拍数、最大酸素摂取量等
- 主観的(自覚)強度→Borgスケール、修正スケール
に分類されますが、試験で問われるのは、生理的強度と主観的強度です。
生理的強度~心拍数の求め方
NSCA-CPTでは、心拍数を求める問題が出る確率が高く、心拍数の求め方は2種類あります。
- 年齢推定最大心拍数法
- カルボーネン法(予備心拍数法)
試験で出る可能性が高いのはカルボーネン法ですが、稀に最大心拍数法が出ることもあります。求め方は簡単なので、むしろラッキー問題となりますが、カルボーネン法で求めないように。必ずカルボーネン法で求めた心拍数が選択肢にあるので、ケアレスミスをしないようにしてください。
最大心拍数法は、
- 最大心拍数 = 220 - 年齢
- 目標心拍数 = 最大心拍数 x 強度
で求められます。強度は百分率(70%なら0.7)
一方、カルボーネン法は、スポーツ科学では予備心拍数法と呼ばれ、予備心拍数を計算する必要あります。予備心拍数とは、最大心拍数から安静時の心拍数を引いたもので、心拍数の振り幅を表す数字です。その計算法は
- 最大心拍数 = 220 - 年齢
- 予備心拍数 = 最大心拍数 - 安静時心拍数
- 目標心拍数 = 予備心拍数 x 強度 + 安静時心拍数
で求められます。ちなみに心拍数の単位は(拍/分)です。
主観的強度
主観的強度は、自覚的強度とも言われ、RPE(Rating of Perceived Exertion)とも書くことができます。NSCAにおいては、ボルグスケールとボルグ修正スケールの2種類押さえておく必要があります。
現在、パーソナルトレーナーのための基礎知識第2版の16章には、修正スケールしか記述がないのですが、その他の章(18~22章)においてはボルグスケールで対応しているので混乱を招いています。早期の統一を求めます!
ボルグ(Borg)スケール
Borgスケール | 主観 |
6 | 安静時 |
7 | |
8 | |
9 | とても軽い |
10 | |
11 | まあまあ軽い |
12 | |
13 | ややつらい |
14 | |
15 | つらい |
16 | |
17 | とてもつらい |
18 | |
19 | |
20 | これ以上無理 |
引用:ストレングス&コンディショニングⅠ@NSCAジャパン, 大修館
ボルグ修正スケール
修正スケール | 主観 |
1 | 全く努力なし |
2 | ほとんど努力なし |
3 | 非常に楽 |
4 | 楽(日常生活レベル) |
5 | 中程度 |
6 | ややきつい |
7 | きつい |
8 | かなりきつい |
9 | 非常にきつい |
10 | これ以上無理 |
引用:NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識第2版@NSCA JAPAN, ブックハウスHD
ボルグスケールと修正スケールは、 13=5~6, 15=7, 17=8 あたりで押さえておくとよいでしょう。
試験には出ないと思いますが、VO2maxの強度とカルボーネン法の強度(心拍数)は一致することを覚えておくと実際の指導には役に立ちます!
代謝等量(METs)
頻度は少し落ちますが、METsも押さえておくと良いでしょう。
1MET 安静時の酸素消費量(摂取量)=3.5ml/kg/min
ここから活動によるMETsや差異が計算できれば問題ありません。P426の活動によるMETsの違いは特に覚えなくても大丈夫ですが、基本的はもの(歩行3METs, 10km/時間のランニング等)を知っておくとこれまた指導には役に立ちます。
NSCA-CPT受験対策~パート別傾向と対策
NSCA-CPT試験 第13章レジスタンストレーニングのエクササイズテクニック
NSCA-CPT試験 第15章レジスタンストレーニングのプログラムデザイン
NSCA-CPT試験 第18章高齢者・妊婦のプログラムデザイン
NSCA-CPT試験 第24・25章 施設・メンテナンス・法律
・NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識第2版@NSCA JAPAN
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