パーソナルトレーニング論

【トレーナーの分類】業務内容や指導対象による分類

2020年8月25日

一言でトレーナーといっても様々です。
アスレティックトレーナー、パーソナルトレーナー、コンディショニングトレーナー、ボクシングコーチもトレーナーと言われています。

実際の業務は、それぞれ、似て非なるものですが、スポーツおよびフィットネスの現場でトレーナーといわれているのは以下の3つが多いと思われます。

トレーナーの分類

アスレティックトレーナー(AT)

トレーナーの始まりともいえる職業で一昔前はトレーナーを目指すといった場合、ATを指したと思います(私もそうでした)。スポーツトレーナーと言う名称を使用することも多かったかもしれません。

簡単に説明すると、アスリートやスポーツチーム等に帯同し、外傷や慢性障害に対する処置を行うことで選手の健康管理をサポートする専門職です。アスレチックトレーニングはスポーツ医学の細分化された専門分野のひとつで、ATには高度な医学的な知識と緊急時に対処できる豊富な経験が必要となります。

ATの主な6つ役割

  • 傷害予防
  • 傷害評価
  • 応急処置
  • リハビリテーション
  • 管理
  • 教育

であり、その競技で起こりえる傷害に精通していることも必要となります。

ストレングス&コンディショニングコーチ(S&C)

フィジカルコーチやトレーニングコーチと分類されることもある職業です(トレーナーよりコーチという名称を用いることが多い)。主に、アスリートを中心に、怪我をすることなくフィジカルピークパフォーマンスを達成するよう安全で効果的なトレーニングプログラムを計画・実施する専門職です。

SCの4つの役割

  • トレーニングプログラムの計画・立案
  • トレーニング指導
  • トレーニングプログラムの管理
  • 測定と評価

ATとSCの違い

ATが傷害またはスポーツ医学のスペシャリストであるなら、S&Cは健常者のパフォーマンス向上または(運動生理学、バイオメカニクスを中心とした)スポーツ科学のスペシャリストと言えるのではないでしょうか。その競技に精通していることは共通の重要な要素であると思います(その競技の経験者である必要はない)。

現実的には一人のトレーナーがATとS&Cの役割を担うことが多いですが、役割を分担するのが理想です。

パーソナルトレーナーという職業

最近、需要が増えてきたというよりも、主流のトレーナーがパーソナルトレーナーかもしれません。しかし、これは契約雇用形態を表すものであり、業務を表すものでは有りません。フィットネス分野で活躍することが多く、役割としてはS&Cが近いと思います(AT系の人もいるが少数)。

お客様と個人契約を交わし、個々の身体的な特性や目的、ライフスタイルに合わせたトレーニングプログラムの作成およびマンツーマン指導を行う専門職です。

指導対象はスポーツ選手から中高年齢層や生活習慣病などの危険因子を持つ人々まで広範囲にわたるため、トレーニング知識に加え、医学的知識(特に内科および整形外科)やモチベーションの点においても高度な知識と能力が要求されます。その他接客能力、営業力も必要です。

主戦場は、フィットネスクラブになりますが、最近は独立してマイクロジムを設立するケースが増えています。対になる言葉は「チームトレーナー」でしょうか?

トレーナーに必要となる能力・知識

すべてのトレーナーに必要な基礎専門知識は

  • (機能)解剖学
  • (運動)生理学
  • 運動学
  • バイオメカニクス

あたりでしょうか。

また以下の専門知識もすべてのトレーナーが勉強するべきだと思いますが、その比率に違いが出ます。

  • トレーニング理論
  • トレーニング実技
  • スポーツ傷害(医学)
  • 栄養学
  • 測定と評価

例えば、トレーニング理論・実技はS&C系のトレーナーがより力を入れるべき専門知識・技能です。スポーツ傷害はATのメイン科目の一つでしょう。

さらに最新の研究結果を考察する能力も必要であり、時にトレーニング施設の設計および運営する能力も求められます。

フィットネスとアスリート

その他の分類では、指導対象もその一つでしょう。

「フィットネストレーナー」これが現在パーソナルトレーナーと一般的には言われていると思います。

これに対になるのは「競技またはアスリートトレーナー」でしょうか。元々はこちらがトレーナーの源流だと思いますが、最近は減少傾向にあると思います。

フィットネストレーナーは、競技スポーツトレーナーよりも接客等サービス業的要素が強くなります。

フルタイムとパートタイム

契約形態としては、「フルタイムトレーナー」と「パートタイムトレーナー」でしょうか。

チーム帯同しているトレーナーであっても、一部のプロチームやトップアマチュアチーム以外は、ほとんどが「パートタイム」契約で複数チームと契約していることが多いと思います。

フィットネスメインのパーソナルトレーナーも、複数の個人との(時間)契約になるので一種のパートタイムトレーナーと捉えてもいいかもしれません。

「フルタイム」を経験して一人前かもしれませんが、リスクも高いです。単年度契約が多いので、一気に一文無しになる可能性があります。

まとめ

業務形態は、

  • AT
  • SC

指導対象は、

  • フィットネス(一般)
  • アスリート

雇用契約形態は、

  • パーソナル
  • チーム・団体
  • フルタイム
  • パートタイム

ちなみに私は、

SC、チーム・アスリートメイン(パーソナル・フィットネスも少数有)のパートタイム契約トレーナーです。

これからトレーナーを目指す人の参考になれば幸甚です。

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