栄養学

【栄養学】アミノ酸の基礎知識②グルタミン~最強の守りの栄養素

2024年1月2日

アミノ酸の第1弾は「グルタミン」です。

グルタミンは、体内で合成できる非必須アミノ酸(NEAA)ではありますが、アスリートにもフィットネスにも有効な栄養素です。

EAA(必須アミノ酸)やBCAA(分岐鎖アミノ酸)に比べると、地味な印象ですが、それらに勝るとも劣らないアミノ酸と言っても過言ではありません。

条件付き必須アミノ酸、準必須アミン酸

グルタミンは、体内最大勢力のアミノ酸で約60%にあたる非必須アミノ酸ですが、ストレス下(心身ともに)では合成が間に合わないため、食事やサプリメントとして摂取する必要があるので、条件付き必須アミノ酸や準必須アミノ酸とも言われます。

アスリート(市民含む)はもちろんながら、中級以上のウエイトトレーニングトレーニー、定期的に運動をしているフィットネス愛好家には、必須アミノ酸(EAA)1といっても過言ではありません。

グルタミンの特徴

押さえておきたいグルタミンの主要効果は、

  1. アンチカタボリック作用
  2. 小腸のエネルギー源
  3. 免疫作用
  4. 疲労回復
  5. 成長ホルモン分泌

あたりでしょうか。

アンチカタボリック作用~持久性および減量競技には必須!

当然、筋肉を合成する20種類のアミノ酸のうち最大比率を誇るのでアナボリック作用も強力であると考えられますが、真価はアンチカタボリック作用にあります。

持久要素の高い競技(長距離走や水泳等)やボクシング等階級制の競技は、消費エネルギーが高いため、筋分解が優性に働きます。

この筋分解を最小限にする効果がグルタミンにはあります。上記に当てはまる競技(サッカーやラグビー等ほとんどの球技や格闘技)には必須の栄養素(サプリメント)となるでしょう。

小腸のエネルギー源

吸収の入口である小腸のエネルギー源になるので、吸収効率を上げる効果があると考えられます。

厳密にいうと食物摂取とは、口腔から体内に入れることではなく、小腸による吸収なので、小腸が機能していないと筋肉合成をはじめ、各機能が不全となる可能性が高いわけです。

そして、小腸代謝ということは、肝臓代謝ではないので肝臓の負担は掛からないというメリットもあります。

免疫作用

また、白血球(マクロファージ、好中球、リンパ球)のエネルギー源でもあるので免疫作用にも大きな効果を発揮します。

風邪をひいたら、ビタミンC(免疫作用あり)とよく聞きますが、グルタミンを加えることでさらに効果的だと思います(最強レベル)。体調が悪ければ、グルタミン+ビタミンCですね。

疲労回復(超回復作用)

タンパク質やグリコーゲン合成の効果もあるので、疲労回復も大きな役割を担っていると考えられます(当然、糖質自体も摂取する必要はあります)。

成長ホルモン分泌促進

グルタミンには、成長ホルモン分泌を高める効果があるようです。

成長ホルモンには、

  • 筋肉合成
  • 脂肪分解

の機能があります。筋肉を合成し、脂肪も燃焼しやすい身体になるので、トレーニング後のグルタミン接種には成長ホルモン分泌の促進が期待できます。

飲み方・頻度

基本的な飲み方は、

  1. 起床時
  2. トレーニング・練習後
  3. 就寝前

いずれもアミノ酸等栄養素や水分が枯渇する時間帯です。

身体の大きさや運動・トレーニング強度にもよりますが、一般的にはその都度5~10gが妥当です。

私の場合は

  1. 起床後→ホエイプロテイン20gに 5gを添加して飲用
  2. トレーニング後→ホエイプロテイン20gにグルタミン10gを添加して飲用
  3. 就寝前→グルタミンのみ5gを飲用

ちなみにトレーニング前は、グルタミンはではなくBCAAを飲んでいます(5~10g)。トレーニングをしない日でも間食・補食としてホエイプロテインは摂取しています。

まとめ

条件付(準)必須アミノ酸であるグルタミンの効果は

  1. アンチカタボリック作用
  2. 小腸のエネルギー源
  3. 免疫作用
  4. 疲労回復
  5. 成長ホルモン分泌

筋分解を防いでくれたり、内臓を整えたり、栄養摂取の活性化等、生活にも直結する機能が満載のグルタミン。

クレアチンやEAA/BCAAほどの攻めの効果(能力を120%に引き上げる)は、少ないものの、常に100%をキープしようとする守りの要素はむしろBCAA等よりも高いでしょう。

ベテラン選手やフィットネス(特に中高年)には、最重要の栄養素かもしれません。

私も、桑原弘樹氏のセミナーを受講して以来、グルタミンを常用していますが、確かに風邪は引きにくくなったように思えます。

また、冬場のランメインの時にも最小限の異化で済んでいるような気がします。これからもグルタミンを手放すことは無いでしょう(^^♪

引用・参考文献

・基礎栄養学第4版@田地陽一

・アスリートのための最新栄養学(上)@山本義徳

・サプリメントまるわかり大辞典/サプリメント健康バイブル@桑原弘樹

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