以前、タンパク質の摂取量やマッスルフルについて、まとめましたが、トレーニングマガジンVol.79の石井直方教授のコラム(筋肉まるわかり大辞典)に追加情報が記載されていたので、共有したいと思います。
タンパク質の摂取量・マッスルフルに関する記事はこちらを参照してください。
タンパク質の摂取量(体重1kg当たり)
復習となりますが、タンパク質の摂取量は、一般の方々(あまり運動をしない人)は、体重1kgあたり1g/日、ウエイトトレーニングトレーニーやアスリートは2g/日と言われています。
トレーニングマガジンvol79の石井教授のコラムでは、具体的な数値が記載されています。フィットネスや健康増進では、やはり体重1kg当たり1gが妥当のようです(厚生労働省・日本人の栄養摂取基準)。
一方、積極的な筋肥大を目的とする場合は、以下が挙げられています。
- 1.2~1.7g(アメリカスポーツ医学会)
- 1.4~1.8g(アメリカ栄養学会)
- 1.4~2.0g(国際スポーツ栄養学会)
- 2.5g(旧ソ連・東欧諸国研究例)
これらからも、1.5~2.0g程度が効果のある摂取量だと思います。
マッスルフルについて
次にマッスルフルに関する記載です。
マッスルフルとは、一定量を超えて摂取されたタンパク質は、筋肉の合成の材料ではなく、エネルギー源として使われることで、言い換えると、筋肉合成のための上限量となります。
マッスルフルに関しては、一般的には約20g/食(25~30g/食が上限)とされています。
追加情報として
アメリカ人の一般成人男性は、タンパク質摂取量が体重1kg当たり0.9~2.4g/日の場合、タンパク質合成量がトータル150mg前後というデータがあります。
アスリートの場合、230~240mgくらいまで合成量は増えるようですが、2.4g/日以上の摂取では合成量の増加に効果は無いようです。
ボディビルダーでは、3~4g/日程度摂取する人もいるようですが、タンパク質の合成量に関しては、ほぼ効果は無く、しかし腎臓の負担は増える可能性は高くなると思います。
面白いことに、高齢者の場合(コラムでは70歳)、上限は増加し40g程度になるようです。
また、アスリートやハードトレーニーの場合、20gより40gのほうが合成量が20%ほど高いと報告されています。
食事バランスのついて
3食のバランスについては、
朝食:昼食:夕食の摂取比率は、1:1:1が最も合成量が高くなるようです。
*コラムでは、90g/日を1:1:1の群(毎食30g)と夕食に偏る群(朝10:昼15:夕65)を比較していますが、どの程度の差かは記載されていません。
ただし、日本人の高齢女性の場合、朝食でタンパク質摂取量(割合)が高いほど、骨格筋指数が高く、筋肉の状態が良好という報告が記載されています。
念を押しておきますが、ただタンパク質を摂取しただけでは、筋肥大は起こりません。定期的にウエイトトレーニング等で過負荷を掛け、タンパク質合成のスイッチを入れなければなりません。
まとめ
タンパク質摂取量は、基本的には
- 一般・健康目的・フィットレスレベルでは、体重1kgあたり、1g/日
- アスリートやウエイトトレーニングトレーニー(中級者以上)では、1.5~2g/日
**フィットネスの場合体重70kgなら70g/日、アスリートなら140g/日程度となります。
マッスルフル(タンパク質摂取における1回の食事の上限量)に関しては
- 通常の食事では20g、多くても30g
- 練習やトレーニング後は大めに摂り40g程度
3食均等に摂取(20~40g/食)することが望ましいが、場合によっては朝食の比率をやや多めにしてもいいかもしれません。
以上を参考して、食事内容を再確認してはいかがでしょう。
引用・参考
・筋肉まるわかり大辞典2@石井直方
・トレーニングマガジンVol79(筋肉まるわかり大辞典)@石井直方・アイキャッチ画像は写真ACのこうまるさん
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