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【コンディショニング】アイソトニック飲料とハイポトニック飲料の対比

2021年7月4日

運動中の水分補給には、運動時間や強度を考慮して

  1. 水のみ(短時間)
  2. 水+ミネラル(短中時間)
  3. 水+ミネラル+糖質(中長時間)

あたりが考えられます。今回は、水分+ミネラル+糖質を容易にかつ同時にとれるスポーツドリンクについてまとめたいと思います。

水分摂取に関する記事はこちら

最適な糖質濃度は、8%以下

溶液の糖質濃度は、2.5~8%(日本スポーツ協会は4~8%を奨励)辺りまでが吸収が良く、8%を超えると溶液の胃排出速度(胃から小腸への移動)が低下し、糖分および水分補給が遅れます。そのためスポーツドリンクは糖質濃度8%以下で設計されていることが多いようです。

浸透圧とは?

本題に入る前に、浸透圧の意味を整理しておきましょう。

浸透圧は、「ある分子が多く存在している溶液(高浸透圧)と少なく存在している溶液(低浸透圧)が半透膜の壁で仕切られた状態で存在していた場合、低浸透圧の溶液から高浸透圧の溶液へと水分が移動し、その高濃度の溶液を薄めようという作用が働くこと」と定義します(寺田新)。

体液の濃度と飲料の濃度の差で、常に一定にしようとし(恒常性)、水分の移動が起こるということです。体液の濃度が高ければ、体液を薄めようと水分が移動する、すなわち水分を体内に吸収するということになります。

アイソトニック飲料とハイポトニック飲料

Isotonic(アイソトニック)は等張性を意味し、アイソトニック飲料は体液と溶液の濃度が等しい(浸透圧が等しい)飲料のことです。ポカリスウェットやアクエリアス等メジャーなスポーツドリンクはアイソトニック飲料が多いです。

一方、Hypotonic(ハイポトニック)は低張性を意味し、ハイポトニック飲料は体液よりも溶液の濃度が低い飲料を指します。スーパーH2Oやアミノバイタル、OS-1等経口補水液もハイポトニック飲料です。

アストリクションというサイトでは、以下のように分類しています。

表1. アイソトニック飲料とハイポトニック飲料の比較

アイソトニック飲料ハイポトニック飲料
スポーツドリンクスポーツドリンク経口補水液
浸透圧体液と同じ体液より低い体液より低い
ナトリウム(100ml中)40~55mg40~55mg80~115mg
糖質濃度(%)4~6%2~3%2%前後

出典:アストリクションHP

ちなみに、Hypertonic(ハイパートニック)は、体液よりも溶液の濃度が高いことです。

接頭辞の「iso-は等しい」、「hypo-は低い」、「hyper-は高い」を意味します。

ハイポトニックの状態の場合、溶液が体液よりも浸透圧が低いため吸収が速くなります

ハイパートニックの状態の場合、溶液が体液よりも浸透圧が高いため、水分補給しているつもりが脱水していることになるので十分に気を付けなければなりません。

スポーツドリンクの場合、糖分摂取も伴いながらも、水分補給を最優先とするためハイパートニック飲料はほとんど無いと思われます。少なくとも私は知りません。

コーヒーは、もしかしたらハイパートニックの分類かもしれませんね(脱水するし、最大の目的も水分補給ではない)?折を見て、調べてみます。

メジャーなアイソトニック飲料とハイポトニック飲料のスペック

メジャーなアイソトニック飲料とハイポトニック飲料(経口補水液を含む)のスペックを以下に記載します。参考にしてください。

表2. アイソトニック飲料と100mlあたりの成分

商品名エネルギー糖質ナトリウム
ゲータレード25kcal6.30%51mg
ポカリスエット25kcal6.20%49mg
グリーン ダ・カ・ラ19kcal4.90%40mg
miu プラススポーツ19kcal4.80%49mg
アクエリアス19kcal4.70%40mg
ビタミンウォーター18kcal4.70%40mg

表3. ハイポトニック飲料と100mlあたりの成分

商品名エネルギー糖質ナトリウム
アミノバリュー18kcal3.60%49mg
ラブズスポーツ14kcal3.40%50mg
スーパーH2O12kcal2.90%40mg
イオンウォーター11kcal2.80%54mg
アミノバイタル13kcal2.80%41mg
Newからだ浸透補水液9kcal2.30%45mg
VAAMウォーター0kcal0.70%40mg
アクエリアスゼロ0kcal0.70%40mg
塩JOYサポート0kcal0.70%80mg

表4. 経口補水液と100mlあたりの成分

商品名エネルギー糖質ナトリウム
OS-110kcal2.50%115mg
アクアソリタ7kcal1.80%80mg
アクアサポート9kcal2.30%115mg

表の出典:すべてアストリクションHP

個人的には知らないドリンクもありますが、いいデータなので、そのまま掲載します。

各表から、糖質濃度4.7%以上が「アイソトニック飲料」、3.6%以下が「ハイポトニック飲料」となっています(おそらく4.7%未満をハイポトニック飲料としていいのだと思います)。

糖質濃度が高い分、エネルギーは若干「アイソトニック飲料」の方が高いようです。エネルギー補給には「アイソトニック飲料」の方に軍配が上がります。

ナトリウム濃度は、経口補水液以外はほぼ40~50mgで大差がありません。経口補水液は脱水により失われたミネラル補給も目的にあるので、他の飲料よりもナトリウム濃度が高くなります(経口補水液に関しては別途まとめたいと思います)。

まとめ~用途別選択

基本的には、アイソトニック飲料とハイポトニック飲料は予防目的で補充することが多く、反対に経口補水液は処置目的で摂取することが多いと思います。

  • アイソトニック飲料→発汗量の比較的少ない時期(春、秋、冬)または水分と共にエネルギー補充が重要な場合(運動前および運動中、特にウエイトトレーニング等高強度の運動やマラソン等長時間の運動に有効)
  • ハイポトニック飲料→夏期中心に発汗の多い場合(水分補給第一、吸収の速さが重要)
  • 経口補水液→熱中症または過度の脱水症状の場合

アストリクションHP(アスリートの食事が学べるスポーツ栄養学 (athtrition.com)を多いに参考にし、引用させていただきました。詳細をより知りたい方は、是非参照してください。お薦めです。

出典・引用・参考
・スポーツ栄養学@寺田新
・スポーツ栄養学@鈴木志保子
・アスリートの栄養学@清野隼,塚本咲翔
・アストリクションHP

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