機能解剖学

【機能解剖学の基礎】関節の基本6運動(屈曲・伸展・内転・外転・内旋・外旋)

2020年4月29日

機能解剖学の基礎の4回目、今回はレジメの6, 関節運動についての話です。

第1回目機能解剖学レジメ

  1. (機能)解剖学および(運動)生理学の定義
  2. 解剖学的立位姿勢
  3. 方向を表す用語
  4. 三面三軸
  5. 関節の構成と役割
  6. 関節運動
  7. 筋肉に関する用語
  8. 筋収縮様式

関節の基本6運動

関節の基本運動は下記の6つ、

  • 屈曲(Flexion)
  • 伸展(Extension)
  • 内転(Adduction)
  • 外転(Abduction)
  • 内旋(Internal Rotation)
  • 外旋(External Rotation)

日本語自体は、さほど難しくないのですぐに覚えられると思いますが、この用語を理解しないと以降の勉強は進まないので、なるべく早く習得しましょう。基礎はとにかく重要です。先にHow toだけを学び、実践に移るとそう遠くない時期に壁に当たります。理論付けできる基礎力をまずは習得しましょう!これらの用語の英語も重要なので合わせて説明します。

矢状面上の運動~屈曲と伸展

屈曲と伸展は、矢状面上の運動で、屈曲は「2つの骨の角度が小さくなる運動」、伸展は「2つの骨の角度が大きくなる運動」となります。

伸展は英語で「extension」、これは絶対に覚えてください。 直訳すると「伸張、拡張、拡げること等」ですが、一般的にも使用される用語なので覚えやすいはず(髪の毛のエクステや延長(extension)コード)。leg extensionやback extension等、エクササイズでもそのまま使用されることも多い。

一方、屈曲の英語は「flexion」、「extension」ほどは使用されないが、難しくない英語なので押さえておきましょう。エクササイズとしては、「巻く」から転じて屈曲を表す「curl」が用いられることが多い(leg curl, arm curl等)。髪の毛やお菓子からもわかりやすい。

前額面上の運動〜内転と外

内転と外転は、前額面上の運動で、内転は「正中線に向かう運動」、外転は「正中線から離れる運動」となります。

内転は英語で「adduction」、ad-は「to, toward, その方向へ」を表す接頭辞。-ductは「lead, 導く」を意味し、「正中線(体の中心)に向かう」運動です。

一方、外転の英語は「abduction」、ab-は「from, away, ~から、離れる」を表す接頭辞。「正中線(体の中心)から離れる」運動ということになりますね。

エクササイズでもそのまま用いられることも多いです(hip adductin, abductin, 股関節内転・外転運動)。

水平面上の運動〜内旋と外旋

内旋と外旋は、水平面上の運動で、内旋は「関節(長)軸を中心に、正中線方向(内側)への回旋運動」、外旋は「関節(長)軸を中心に、正中線とは逆方向(外側)への回旋運動」となります。

内旋は英語で「internal rotation」、in-は言うまでもなく「内に」を表す接頭辞。rotationは「回旋」を意味する。先発ピッチャー(starter)のrotationもここから。

一方、外旋の英語は「external rotation」、ex-は「out, 外へ」を表す接頭辞。exit出口もここから。

肩のインナーマッスルのトレーニングには、そのまま使用されていますね(internal rotation→内旋運動、external rotation→外旋運動)。

まとめ

関節運動は、この6つの基本用語ですべて説明できます。次回のテーマである「底屈、背屈、回内、回外等の関節特有の呼び方」は無くして、基本運動に統一するという話を聞いたことがありますが、一向にその気配はありません。そもそもその話自体がなかったことかもしれませんが、統一されれば、初期段階での混乱は少なくなるはずです???

屈曲Flexion
伸展Extension
内転Adduction
外転Abduction
内旋Internal rotation
外旋External rotation

・身体運動の機能解剖@Thompson/Floyd
・骨と関節のしくみ・はたらきパーフェクト事典@岡田隆
・筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典@荒川裕志
・運動療法のための機能解剖学的触診技術(上肢編)@林典雄
・骨単・肉単@河合良訓(監修)

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