機能解剖学の基礎の4回目、今回はレジメの6, 関節運動についての話です。
第1回目機能解剖学レジメ
関節の基本6運動
関節の基本運動は下記の6つ、
- 屈曲(Flexion)
- 伸展(Extension)
- 内転(Adduction)
- 外転(Abduction)
- 内旋(Internal Rotation)
- 外旋(External Rotation)
日本語自体は、さほど難しくないのですぐに覚えられると思いますが、この用語を理解しないと以降の勉強は進まないので、なるべく早く習得しましょう。基礎はとにかく重要です。先にHow toだけを学び、実践に移るとそう遠くない時期に壁に当たります。理論付けできる基礎力をまずは習得しましょう!これらの用語の英語も重要なので合わせて説明します。
矢状面上の運動~屈曲と伸展
屈曲と伸展は、矢状面上の運動で、屈曲は「2つの骨の角度が小さくなる運動」、伸展は「2つの骨の角度が大きくなる運動」となります。
伸展は英語で「extension」、これは絶対に覚えてください。 直訳すると「伸張、拡張、拡げること等」ですが、一般的にも使用される用語なので覚えやすいはず(髪の毛のエクステや延長(extension)コード)。leg extensionやback extension等、エクササイズでもそのまま使用されることも多い。
一方、屈曲の英語は「flexion」、「extension」ほどは使用されないが、難しくない英語なので押さえておきましょう。エクササイズとしては、「巻く」から転じて屈曲を表す「curl」が用いられることが多い(leg curl, arm curl等)。髪の毛やお菓子からもわかりやすい。
前額面上の運動〜内転と外転
内転と外転は、前額面上の運動で、内転は「正中線に向かう運動」、外転は「正中線から離れる運動」となります。
内転は英語で「adduction」、ad-は「to, toward, その方向へ」を表す接頭辞。-ductは「lead, 導く」を意味し、「正中線(体の中心)に向かう」運動です。
一方、外転の英語は「abduction」、ab-は「from, away, ~から、離れる」を表す接頭辞。「正中線(体の中心)から離れる」運動ということになりますね。
エクササイズでもそのまま用いられることも多いです(hip adductin, abductin, 股関節内転・外転運動)。
水平面上の運動〜内旋と外旋
内旋と外旋は、水平面上の運動で、内旋は「関節(長)軸を中心に、正中線方向(内側)への回旋運動」、外旋は「関節(長)軸を中心に、正中線とは逆方向(外側)への回旋運動」となります。
内旋は英語で「internal rotation」、in-は言うまでもなく「内に」を表す接頭辞。rotationは「回旋」を意味する。先発ピッチャー(starter)のrotationもここから。
一方、外旋の英語は「external rotation」、ex-は「out, 外へ」を表す接頭辞。exit出口もここから。
肩のインナーマッスルのトレーニングには、そのまま使用されていますね(internal rotation→内旋運動、external rotation→外旋運動)。
まとめ
関節運動は、この6つの基本用語ですべて説明できます。次回のテーマである「底屈、背屈、回内、回外等の関節特有の呼び方」は無くして、基本運動に統一するという話を聞いたことがありますが、一向にその気配はありません。そもそもその話自体がなかったことかもしれませんが、統一されれば、初期段階での混乱は少なくなるはずです???
屈曲 | Flexion |
伸展 | Extension |
内転 | Adduction |
外転 | Abduction |
内旋 | Internal rotation |
外旋 | External rotation |
・身体運動の機能解剖@Thompson/Floyd
・骨と関節のしくみ・はたらきパーフェクト事典@岡田隆
・筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典@荒川裕志
・運動療法のための機能解剖学的触診技術(上肢編)@林典雄
・骨単・肉単@河合良訓(監修)
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