日本・東洋太平洋ミドル級ダブルタイトルマッチ

ボクシング

3/11(金)後楽園ホールにて、日本および東洋太平洋ミドル級タイトルマッチが行われた。

チャンプの柴田選手(ワタナベ)は日本は5度目、東洋太平洋は6度目の安定王者。挑戦者同級1位の西田選手(川崎新田)も一昨年7月に判定で退けている。14か月ぶりの再戦であるが、下馬評は当然王者圧倒的に有利(8:2少なくても7:3)であった。前回同様、王者が挑戦者の突進をかわすのではないかというのが大半の予想。この試合の図式は簡単で(もちろん見えない戦略。技術は存在するが)、長身で懐の深い王者は離れて、短躯の挑戦者は前に出るというもの。

当日の西田選手は落ち着いていた。会場入りの時間からバンテージ、ストレッチ、メンタルトレーニング、ウォーミングアップを分刻みでルーティンをこなしていく。予定通り20時にすべてを終え、試合を待つ。その前の引退式が思ったよりも長引いたが、慌てることなくすべて想定内の出来事のごとく静かに試合を待つ状態であった。

試合は思った通り、前に出る、1Rは比較的距離が近く王者のジャブが当たり、ポイントは取られたと思うが、前に出ながらペースはつかんだように思えた。

2Rは1Rよりも距離が遠くなったが、私には王者が圧力を受け下がりながらのジャブで対応しているように思えた。ラウンド中盤、踏み込んだ刹那、左フックが王者の顎を捉え、ダウン。今思えばこの時に勝負は決していた。もう1回ダウンを奪うもさすが歴戦の王者。うまくしのぎランド終了。

3R、王者のカウンターが数発当たるものの、ダメージは深く、挑戦者の前進・圧力を止めることはできず、最後は10カウントでのKO。

nishida (4)

圧勝に思える試合だが、序盤に3Rのカウンターが当たった場合、勝敗は入れ替わっていたかもしれない。ミドル級に試合は1発が決める可能性が高いスリリングな階級です。

今回の試合での勝因の一つは、メンタルの強さでしょう。2R中盤の1回目のダウン後の西田選手の行動がそれを示しています。通常の選手なら、格上の王者に対し、先にダウンを取ったことで、冷静さを失うところですが、ニュートラルコーナーに入った後、すぐに青コーナー側を向き、指示や戦術の確認をしていました。会場の雰囲気も一気にヒートアップしていて、私自身もかなり興奮していましたから恥ずかしい限りです。

元々フィジカルはしっかりしていて基本技術もあり期待されながらも、4回戦までは勝ったり負けたり、一時はボクシングから離れることもありました。復帰後メンタルトレーニングを積極的に導入し、一気にその才能が開花しました。その辺は、先にOPBFのタイトルを取った三好選手に似ています。川崎新田ボクシングジムには専属のメンタルトレーニングコーチがいて、素直な性格の選手が多いので、その恩恵は計り知れないものがあります。おかげで私もメンタルトレーニングの知識が最低限備わることができました。

西田選手は、見た目体は小さく(175cm程度)、確かにパンチ力・ハンドスピード、フットワーク等はずば抜けたものは無く才能は凡庸と捉われることもありますが、そのフィジカルは素晴らしいものがあり(試合ではトランクスであまりわからないかもしれませんが、下半身の筋力は大したものです)、圧力という点では国内ひいてはアジア圏随一レベルです。一瞬の体スピード(スピードはハンドスピードやフットワークだけでは無いです)もかなりあると思います。

何もない選手が日本・東洋太平洋タイトルを取れるわけがありません。強いフィジカルとメンタル、継続する努力、勝つための綿密な準備、そしてそれを実行する力等すべてが備わり、もぎ取った勝利です。

この試合のインパクトは大きく、開幕戦ではありますが、チャンピオンカーニバルMVPおよび月間MVPの可能性を取る可能性があります。

さあ、3/18(金)は川崎新田ボクシングジムのエーズ黒田雅之選手のタイトルマッチです。3人目4本目のベルトを是非勝ち取って頂きたいものです。

 

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