機能解剖学

【機能解剖学各論】股関節は寛骨と大腿骨からなる球(臼)関節です。

2020年8月8日

機能解剖学の勉強をする際に、基礎は前提として、最重要部位となるのが「体幹・脊柱」「股関節・膝関節」「肩関節・肩甲骨」の3部位と考えています。

今まで「体幹・脊柱」を中心にまとめてきましたが、これからしばらくは「股関節・膝関節」についてです。第1弾は「股関節の構成」です。

機能解剖学の基礎はこちらを参照してください。

股関節の構成と重要筋群

股関節(Hip Joint)は、寛骨(hip bone)と大腿骨(Femur)から成る関節(赤〇部分)です(正確には「寛骨臼と大腿骨頭」)。下半身の要となる関節で、股関節を理解できれば、その他の下半身の関節(膝・足等)を理解するのは比較的容易です。

また、上半身の要である「肩関節」と構造や運動が似ているので、「股関節」が理解できれば「肩関節」を、「肩関節」を理解できれば「股関節」を理解することも容易なはずです。

骨盤の一部である寛骨は、以前のブログでまとめたものを参照してください。

球(きゅう)関節と臼(きゅう)関節

股関節は、肩関節(ball & socket joint)と同じ球関節であり三面三軸の運動をすべて可能な自由度の高い関節です。その運動は

  • 屈曲
  • 伸展
  • 内転
  • 外転
  • 内旋
  • 外旋
  • 水平屈曲
  • 水平伸展

が可能となります。

また、臼(きゅう・mortar)関節or臼状関節とも言います。奇しくも日本語では読み方は同じになるので、臼状(きゅうじょう)の方が間違いないかもしれません。寛骨臼からの命名と思われます。寛骨臼は形が臼(うす)に似ています。

出典:イラストAC(Shioriさん)

ちなみに、肩関節は「球関節」ではありますが、「臼関節」ではありません。

大腿骨の重要部位

一般の人でも知っているほど、大腿骨自体は有名ですが、まず最初に覚えるべき(絶対に知っていなければならない)部位は、下記の4部位です。

  1. 大転子:股関節の位置にあたる大きな突起で、一般の方でも特定できる有名な箇所です。
  2. 小転子:内側上部にある小さな突起(大転子に比べれば)で、腸腰筋の停止に当たる重要箇所。
  3. 内側顆:下部内側のこぶ状に盛り上がった部位。多くの骨(長骨)にみられます。
  4. 外側顆:下部外側のこぶ状に盛り上がった部位。多くの骨(長骨)にみられます。
  5. 大腿骨頭:股関節の凸部分。

 

股関節重要筋群

屈曲筋群

  • 腸腰筋
  • 大腿直筋
  • 大腿筋膜張筋
  • 縫工筋

伸展筋群

  • 大殿筋
  • ハムストリング(半膜様筋・半腱様筋・大腿二頭筋)
  • 中殿筋後部線維

外転筋群

  • 中殿筋
  • 小殿筋
  • 大腿筋膜張筋
  • 大殿筋上部線維

内転筋群

  • (短・長・大)内転筋
  • 恥骨筋
  • 薄筋
  • 大殿筋下部線維

外旋筋群

  • 梨状筋
  • 上双子筋
  • 下双子筋
  • 内閉鎖筋
  • 外閉鎖筋
  • 大腿方形筋
  • 腸腰筋
  • 大殿筋
  • 中殿筋後部線維
  • 縫工筋

内旋筋群

  • 大腿筋膜張筋
  • 中殿筋前部線維
  • 小殿筋

今後は、上記筋群をまとめる予定です。

股関節(hip joint)を構成する骨のまとめ

寛骨hip bone
腸骨ilium
恥骨pubis
坐骨ischium
大腿骨femur

寛骨は、寛骨臼で不全に分類し、寛骨上部を腸骨、下前部を恥骨、下後部を坐骨に分類します。Ilia(o)-は腸骨を表す接頭語なので、覚えておくと便利です。例えば、腸骨筋は、iliacus muscle、腸腰筋はIliopsoas muscle(ちなみに、psoasは腰筋のことです)。

引用・参考
・身体運動の機能解剖@Thompson,Flolyd
・骨と関節のしくみ・はらたきパーフェクト辞典@岡田隆
・骨単@河合良訓(監修)

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