栄養学

【栄養学】ADHおよびALDHによるアルコールの分解メカニズム

2018年11月13日

お酒を飲めば、人は酔います。酔いのもとはアルコールで、アルコールは正常の機能を損なうばかりか、身体にも害のある物質です。その分解・排泄のメカニズム・プロセスのお話です。

アルコール分解のメカニズム~ADHとALDH

アルコールは胃で20%, 小腸で70%吸収され(消化はされません)、肝臓で解毒されアセトアルデヒドに分解されます。解毒に必要なアルコール脱水素酵素(ADH)が多く分泌される人は酔いが回りにくく、逆に少ない人は酔いやすいわけです。言い換えれば酒に弱いということです。

アセトアルデヒドには毒性があるので、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により酢酸に分解します。最終的には二酸化炭素と水に分解され、息や尿で体外に排出されます。

まとめると、以下の経由になります。

アルコール→肝臓で解毒(アルコール脱水素酵素)→アセトアルデヒド(有毒)→アセトアルデヒド脱水素酵素で解毒→酢酸(無毒)→水と二酸化炭素→息、尿、汗として排出

アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)は2種類ある

ALDHには

  • Ⅰ型
  • Ⅱ型

の2種類。

Ⅰ型はアセトアルデヒドが高濃度の時に働き、Ⅱ型は低濃度時に働きます。アセトアルデヒドの分解は主にⅡ型が行いますが、それが少ない人は酔いやすいとのこと。Ⅱ型が出にくいのは東洋人の特徴で欧米人は顔が紅くならないらしい(私はすぐに紅くなります(^^♪)。

アルコールの吸収は胃と小腸、水のみの吸収は大腸

水は大腸で、アルコールは胃と小腸で吸収されます。

食物と一緒に水を摂ると糖やミネラルと共に水も小腸で吸収されるが、食物が無ければ(水は)小腸では吸収されません(大腸で吸収)

アルコールは胃で20%, 小腸で70%が吸収されるのでアルコールは吸収が良く、水よりも大容量摂取することができる(食事時の水が大量に飲めるのは上記ように小腸で吸収されるため)わけです。これがアルコールの飲みすぎと言うやつですね。水だけだと同じ量を飲むのは苦しいはずです。

酔った時の対処法

アルコールには、脱水作用や利尿作用で血中アルコールおよびアセトアルデヒド濃度が高くなり、早く薄めたいがためにそのサインとして喉が渇きます。生理食塩水(0.9%の食塩水)の場合、小腸で吸収されるので酔いも醒めやすい(食物が入っていれば水のみでもOK)。

アルコールの末路

アルコールは、7kcal/gとエネルギーを持ちますが、解毒した上で無いとエネルギーとしては使用できないので効率が悪く、余剰分は当然体脂肪として蓄積します。

肝臓のオーバーワークにもなるので、飲み過ぎには注意したいところ。遺伝的リスクが無い場合、一日に日本酒一合、ビール中瓶1本程度なら、疫学的には問題無いとのことですが、休肝日は設けたいですね。

詳細は、トレーニングマガジンVol.11からだ食堂第11回アルコールを参照してください。お勧めです。


引用・参考
からだ食堂(トレーニングマガジンVol.11)@鈴木志保子
からだのしくみ事典@浅野伍朗(監修)

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